【全9車種】「第3回 バステクin首都圏」で展示された最新バス車両を一挙公開!!
2017年11月10日に千葉県の幕張メッセで開催された「第3回 バステクin首都圏」。
バス関連メーカーの最新技術が展示されたこのイベントで各社の最新車種が見られたので、その様子をレポートします!
会場となった幕張メッセの屋外展示場には、各社の最新車両が青空の下に勢揃い。
巨大なバスがドドーンと並ぶ姿からはアベンジャーズみたいなオールスター感(笑)が漂います。
もちろんすべて車内まで見学可能。
キーワードは新排出ガス基準、安全性能、バリアフリー
今回、観光用大型バスを提供する各社が大きくPRしていたのは、今年9月から適用された平成28年排出ガス規制への適合。
国際基準と同水準の新規制に合わせてエンジンが小型化された車種が揃っていました。
また、安全機能とバリアフリー機能の向上も大切なキーワード。
バスファンにおなじみの車種も、前方衝突回避や車線逸脱防止システム、ドライバーの注意力低下を察知する機能などが改良リニューアルされて登場していたのが大きな特徴でした。
では、それを踏まえて、各車両をご紹介してきましょう。
日野セレガ ハイデッカ・リフト付(日野自動車)
2005年発売のハイデッカー型バス・セレガが平成28年排出ガス規制に適合し、さらに安全装備も改良して今年6月にリニューアルされました。
この12mのロングボディ車は排気量8.9Lエンジンを搭載。
また、歩行者検知機能付き衝突被害軽減ブレーキPCS、車線逸脱警報、運転手の顔の動きで前方への注意不足を察知するドライバーモニターを装備しています。
車椅子用リフトは日本製のものを採用。コンパクトに収まるため、バゲージルームを広く使うことができます。
TDX24 アストロメガ(スカニアジャパン)
ダブルデッカー(2階建てバス)と聞くとロンドンをはじめとするヨーロッパのバスを連想させますが、こちらは日本で唯一、新車で買えるダブルデッカーです。
製造はベルギーのバンホール社。300kwのエンジンや12速AMTなどの駆動系は、スウェーデンのスカニア社製を搭載しています。
右ハンドルや車体サイズなどは日本仕様の設計。
今回展示されていたのは東京ヤサカ交通が貸切運行している車体ですが、2016年春には、はとバスでも導入されています。
普段見ている東京の景色も、二階席から見下ろすとまた違った風景に見えそうですね。
三菱ふそうエアロエース(三菱ふそうトラック・バス)
今年5月にデビューした新型のエアロエース。
車椅子乗降用リフトを備えた車体は、今回が初お披露目となりました。
前後のホイール間にリフトを取り付けることができ、介助者の補助なく車椅子を車内に上げることが可能。
また、エンジンが排気量7.7Lにダウンサイジングされ、平成28年排出ガス規制に適合しています。
その他、前方に衝突の危険を察知すると自動ブレーキが作動するアクティブ・ブレーキ・アシスト3、顔認識カメラを新たに搭載して表情の変化でも運転注意力の低下を察知してくれるアクティブ・アテンション・アシスト、さらには運転手の疲労を軽減してくれるプロキシミティー・コントロール・アシストなど、ハイテクな安全運行アシストも充実しています。
ヒュンダイ・ユニバース(現代自動車ジャパン)
韓国メーカーのヒュンダイ(現代)のハイデッカー型バスです。
こちらも平成28年排出ガス規制に合わせてエンジンを小型化し、さらには衝突被害軽減ブレーキシステム、車線逸脱警報システム、車両安定装置の3つを標準装備。
丸みを帯びた運転席は人間工学をもとに設計されているそうです。
展示されていた車体は上品な木目を活かしたウッディな内装が素敵でした。
いすゞガーラ ハイデッカー(いすゞ自動車)
最新タイプのいすゞガーラです。
こちらも排気量8.9Lのエンジン小型化に成功し、平成28年排出ガス規制をクリア。
そのほかの主な改善点としては、衝突被害軽減ブレーキに従来の移動障害物への衝突回避支援機能に加えて、歩行者や停止障害物への衝突回避支援機能を追加。
展示されていたのは貸切運行用の仕様で、このほかスーパーハイデッカー車や全車AMT(自動変速トランスミッション)化された9m車などもあります。
オノエンスター(オノエンジニアリング)
中国のヤーシン社が製造している中型観光バスです。
全長8.045m、全高3.36mで、今後は12m車の取り扱いも予定しているとのこと。
展示車は2列+1列のVIPレザーシート仕様で、大きなアームレストと角度調節可能なフットレストも印象的でした。
4列の標準シートもあります。中国の多彩な気候環境に適した2枚ガラスというのも、特徴のひとつ。
トヨタ新型コースター(トヨタ自動車)
前身のトヨタライトバスの発売から50年以上。
今では何と世界110の国と地域で販売されているという小型バスが、今年1月に24年ぶりのフルモデルチェンジしました。
4代目となる新型は、以前の車体と比べるとフロントガラスの視界部分が大きく、顔つきがやや角ばった印象。
ルーフが60mmほど高くなり、シートの幅も40mmほど拡大され車内が広くなっています。
また、ルーフ、側面、フロアを繋ぐ環状骨格を採用したことでボディの強度も向上。
三菱ふそうローザ4WD 路線仕様(エムビーエムサービス)
主に三菱ふそうのバスの二次架装や改造を行なっているエムビーエムサービスが、7m級の小型バスでは唯一の四輪駆動車であるローザ4WDを路線バス仕様に改造。
岐阜県の濃飛バスに提供し、冬場は雪道になることも多い高山地方の山間地域で活躍しています。
同社のオリジナルデザインが車内外の随所に使われています。
日野リエッセⅡ 車いす移動車仕様(中京車体工業)
特殊車両の二次架装を行う中京車体工業が、日野自動車のリエッセⅡ(トヨタ・コースターのOEM車)を車椅子移動車仕様に改造。
後部に車椅子用のリフトを装備しているほか、かさ上げされたステップなど、お年寄りや足の不自由な方にも優しい設計になっています。
以上、全9車種をご紹介しました!
周りを気にすることなく設備を隅々まで見られたり、普段は見ることのできない運転席周りやエンジンまでじっくり見学できたのはこのイベントならでは。
数々の最新技術を見て、環境や安全に対するメーカーの熱い情熱が伝わってきました。
バスの知識が一段レベルアップできた気がします!
※本記事は、2017/11/14に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。
鈴木翔
編集者兼ライター 30代 / 男性
面白いことが大好きな編集者兼ライター。仕事やプライベートで世界各地を旅しているのでバスは常に欠かせない交通手段。これまで最高だったバス旅は、ペルーのチチカカ湖周辺からボリビアのラパスまでの「インカの聖地ルート」。最悪だったのはラオス北部の村から世界遺産のルアンパパーンまでの「12時間耐久・山岳酷道ルート」。最近、中野区から勝どきに引っ越して、なんちゃってセレブ生活を満喫中。
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