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「キング・オブ・夜行バス」2種類のシートを比較! 西鉄バス「はかた号」(福岡・北九州~新宿)の車両・シート・設備を解説

福岡・北九州と東京(新宿)を結ぶ西日本鉄道(西鉄バス)の夜行高速バス「はかた号」。「キング・オブ・夜行バス」として知られる「はかた号」には、「ビジネスシート(3列独立シート)」「プレミアムシート(2列個室タイプ)」の2つのシートがあります。それぞれのシートの仕様や座り心地を比較します。

※2020年7月1日から新車両が導入されました。旧車両との違いは以下の通りです(編集部追記:2020年7月17日)
西鉄バスの高速バス 福岡・北九州~東京線「はかた号」で運行開始30周年を記念し7/1から新型車両を導入

【個室型のプレミアムシート】
・シートのサイズが大きくなり(背もたれ+19cm、座面+6cm)、座り心地が格段に向上
・ワイヤレス携帯充電器を設置
・テーブルのサイズを大きくし、これまで以上にプライベート空間を楽しめる
・読書灯を廃止
・コンセントを廃止し、USBポートのみに

【ビジネスシート】
・新たにダブルクッション付きのシートを採用
・コンセントを廃止し、USBポートのみに

以下では、旧車両をメインに紹介しています。一部、設備などの設置場所が写真と異なる可能性があります。

ざっくり、こんな内容

  • 「はかた号」全2種類のシートを詳しく紹介!
  • 「ビジネスシート」「プレミアムシート」の違いとは?
  • 車内設備についても詳しく紹介

目次



「はかた号」は、夜行バス界の「キング・オブ・キング」!?

西鉄バスが運行する福岡・北九州~東京(新宿)線「はかた号」は、運行距離約1,100kmを誇る日本最長クラスの夜行高速バスです。1990(平成2)年10月12日に運行を開始し、まもなく30周年を迎える老舗路線でもあります。

運行開始当初に活躍していた「はかた号」専用車
運行開始当初に活躍していた「はかた号」専用車

古くからバスファンの間では有名な路線でしたが、「はかた号」の名が知られるようになったのは、あの北海道のローカルバラエティ番組「水曜どうでしょう」(北海道テレビ)で登場したのがきっかけではないでしょうか。

同番組が全国各地で放送されると、「はかた号」は「キング・オブ・深夜バス」として一躍有名に。今や「はかた号」は、番組ファンの間で伝説の夜行バスとして語り継がれており、実際に乗車するファンも少なくないといいます。

1990年代後半から2000年代前半にかけて活躍し、「水曜どうでしょう」でも登場した「はかた号」専用車
1990年代後半から2000年代前半にかけて活躍し、「水曜どうでしょう」でも登場した「はかた号」専用車

現在の「はかた号」は、「ビジネスシート」と「プレミアムシート」の2クラス制。外観は、パールホワイトの車体にゴールドのアクセントが入った、シンプルながらも気品の高さが感じられるカラーリングが特徴です。

現在の「はかた号」専用車両(写真追加:2020.07.17)
現在の「はかた号」専用車両(写真追加:2020.07.17)

側面の「Line connecting Hakata with Tokyo」のロゴが、「はかた号」専用車であることの証です。

現在の「はかた号」専用車両の側面
現在の「はかた号」専用車両の側面

なお、繁忙期には、同社の「どんたく号」(福岡・北九州~名古屋)や「ペガサス号」(福岡・北九州~倉敷・岡山)で使用される3列独立シート車が、「ビジネスシート」の臨時増便として運行される場合があります。

「はかた号」続行便でも活躍する3列独立シート車
「はかた号」続行便でも活躍する3列独立シート車

はかた号の東京発着地はバスタ新宿ですが、臨時増便の東京側発着場所はバスタ新宿ではなく、新宿駅西口26番のりばになりますので、利用の際は注意しましょう。


ビジネスシート(3列独立シート)

「はかた号」で一番座席数が多いのが、3列独立シートのビジネスシートです。

新車両の「ビジネスシート」(写真追加:2020.07.17)
新車両の「ビジネスシート」(写真追加:2020.07.17)
旧車両の「ビジネスシート」
旧車両の「ビジネスシート」

新車両はダブルクッション付き(写真追加:2020.07.17)
新車両はダブルクッション付き(写真追加:2020.07.17)

ビジネスシートは、車内中央部から後方部にかけて18席設置されています。

このうち、最後部3席は、女性専用席として割り当てられています。後ろを気にせずにシートを倒すことができるため、人気が高い席の1つです。

※西鉄運行便の「女性専用席」は 2020年8月1日で終了

シートは本革タイプを採用し、シート幅は46cm、最大リクライニング角度は143度、シートピッチは95cmを誇ります。全席3点式シートベルトを採用するなど、安全・安心を売りにしているのが特長です。

シートをフルリクライニングすると、このようになります。

かなり深く倒れるビジネスシート
かなり深く倒れるビジネスシート

前席下には大型フットレスト(足置き台)が設置されています。足先が空洞になっているため、ゆったりと足を伸ばすことができます。

ゆったりと足が伸ばせる足置き台
ゆったりと足が伸ばせる足置き台

周りを気にせずに休めると好評のフェイスカーテンは、全席に設置されています。フェイスカーテンは消灯前に乗務員がセットします。

周りを気にせずに休めると好評のフェイスカーテン
周りを気にせずに休めると好評のフェイスカーテン

座席前後のカーテンの端をフックにかけると、簡易個室に早変わりです。

カーテンの端をフックにかけると簡易個室に早変わり


プレミアムシート(2列個室タイプ)

プレミアムシートは、2列配列の個室タイプ。車内最前部に4席設けられています。通路と座席の間がパーテーションで仕切られており、プライベート空間を楽しめるのが特長。上質なリラクゼーションと快適な眠りを作り出す充実した機能が満載の人気シートです。

車内前方4席がプレミアムシートのエリア
車内前方4席がプレミアムシートのエリア

シートは、電動式の本革リクライニングシートを採用。シート幅約50cm、最大リクライニング角度150度、シートピッチ135cmを誇り、ゆったりとした座り心地が特長です。
新車両のシート幅は約56cmになりプラス6cm、背もたれはプラス19cmになり、座り心地が向上しています。

新車両の「プレミアムシート」(写真追加:2020.07.17)
新車両の「プレミアムシート」(写真追加:2020.07.17)
旧車両の「プレミアムシート」
旧車両の「プレミアムシート」

プレミアムシートをフルリクライニングすると、このようになります。

プレミアムシートもかなり深く倒れる
プレミアムシートもかなり深く倒れる

通路側壁面に取り付けられているシートリモコンです。シート操作は、全てこちらのリモコンで行います。リクライニング・オットマンの角度調整はもとより、シートヒーター・マッサージ機能・座面送風機能が搭載されており、好みの角度、状態でゆったりとくつろぐことができます。

シート操作は全て専用リモコンで行う
シート操作は全て専用リモコンで行う

同じく、通路側壁面に取り付けられている照明スイッチです。シート操作と照明のON/OFF・光量調整はこちらで行います。個室内の照明の明るさは、無段階で調整することができます。

照明の明るさは無段階で調整可能
照明の明るさは無段階で調整可能

窓側下部には、小型のごみ箱と専用の空気清浄機が設置されています。
新車両の空気清浄機は、座席後方の照明横にあります。

小型ごみ箱と専用の空気清浄機
小型ごみ箱と専用の空気清浄機
新車両では座席後方の照明横に空気清浄機を設置(写真追加:2020.07.17)
新車両では座席後方の照明横に空気清浄機を設置(写真追加:2020.07.17)

また、新車両では新たにワイヤレス携帯充電器が設置されました。

ワイヤレス携帯充電器を設置(写真追加:2020.07.17)
ワイヤレス携帯充電器を設置(写真追加:2020.07.17)

プレミアムシートと通路の間は、カーテンで仕切られるようになっています。

プレミアムシートと通路を仕切るカーテン
プレミアムシートと通路を仕切るカーテン

このほか、プレミアムシート利用者には、ビオレさらさらシートが提供されます。翌朝さっぱりしたいときに重宝します。

パーテーションとカーテンで区切られたプライベート空間と充実した車内設備は、まさしく「動くネットカフェ」という表現がぴったり。福岡~新宿間約14時間半の移動も快適に過ごすことができます。



 

全シート共通の設備

コンセント・USBポート

コンセント・USBポートは、シートによって設置場所が異なります。

<コンセント>※新車両はUSBポートのみ
ビジネスシート:ひじ掛け下(1口)
プレミアムシート:左右ひじ掛け先端(各1口)

ビジネスシートのコンセントはひじ掛け下に設置
ビジネスシートのコンセントはひじ掛け下に設置
プレミアムシートのコンセントはひじ掛け先端左右に各1口設置
プレミアムシートのコンセントはひじ掛け先端左右に各1口設置

<USBポート>
ビジネスシート:前席シート背面上部またはひじ掛け下(1口)
プレミアムシート:窓側ひじ掛け先端(1口)

新車両では設置場所が変わりました。
ビジネスシート:ひじ掛け下(1口)
プレミアムシート:通路側ひじ掛け下(2口)

ビジネスシートのUSBポートは前席シート背面またはひじ掛け下に設置
ビジネスシートのUSBポートは前席シート背面またはひじ掛け下に設置
プレミアムシートのUSBポートは窓側ひじ掛け先端に設置
プレミアムシートのUSBポートは窓側ひじ掛け先端に設置

読書灯

読書灯も、シートによって設置場所が異なります。

ビジネスシート:エアコン吹き出し口付近と前席シート背面(各1カ所)
プレミアムシート:エアコン吹き出し口付近と座席(各1カ所)
※新車両のプレミアムシートでは廃止

エアコン吹き出し口付近にある読書灯
エアコン吹き出し口付近にある読書灯

ビジネスシート専用の読書灯
ビジネスシート専用の読書灯
プレミアムシート専用の読書灯
プレミアムシート専用の読書灯

テーブル

ひじ掛けには小型テーブルが収納されています。ひじ掛けのふたを開き、引き出して使用します。

小型テーブル
小型テーブル
新車両 プレミアムシートのテーブル(画像追加:2020.07.27)
新車両 プレミアムシートのテーブル(画像追加:2020.07.27)

SOSボタン

各座席には、SOSボタンが設置されています。車内で犯罪に巻き込まれたり、体調が悪化したりなど緊急事態にのみに使用します。ボタン押下時は、どの席でボタンが押されたかが運転席でわかるようになっています。

SOSボタン
SOSボタン

新車両「プレミアムシート」のSOSボタン(写真追加:2020.07.17)
新車両「プレミアムシート」のSOSボタン(写真追加:2020.07.17)

トイレ

車内中央部の階段を下りた突きあたりに設置されています。内側から鍵をかけると、換気扇とトイレ使用中ランプが連動する仕組みになっています。

トイレは車内中央部に設置(画像追加:2020.07.27)
トイレは車内中央部に設置(画像追加:2020.07.27)

プラズマクラスターイオン発生機

通路天井にプラズマクラスターイオン発生機を設置しているため、きれいな空気を車内に提供します。

※プラズマクラスターマーク及びプラズマクラスター、Plasmaclusterはシャープ株式会社の商標です

プラズマクラスターイオン発生機
プラズマクラスターイオン発生機

Wi-Fi

車内ではWi-Fiサービスも提供されています。設定方法は、シートポケットに入っているリーフレットに記載されています。

Wi-Fi設定画像(画像追加:2020.07.29)
Wi-Fi設定画像(画像追加:2020.07.29)

毛布(ブランケット)・使い捨てスリッパ・ホットアイマスク

各座席は毛布(ブランケット)と使い捨てスリッパが備えられています。また、発車後には、交代乗務員からホットアイマスクが提供されます。

なお、使い捨てスリッパとアイマスクは持ち帰ることができますが、毛布は車内装備品のため持ち帰ることができませんのでご注意を。

発車後、乗務員からホットアイマスクが提供される
発車後、乗務員からホットアイマスクが提供される

ドリンクサービス(お茶)

朝の休憩停車時には、パック式のお茶が交代乗務員から提供されます。

朝の休憩時にはパック式のお茶が提供される
朝の休憩時にはパック式のお茶が提供される


シート別設備一覧

シート別の車内設備を一覧にしました。ご利用の際の参考にぜひどうぞ。(2022年12月現在)

共通の設備:トイレ、レッグレスト、フットレスト、USBポート、Wi-Fi、ドリンクサービス、毛布、使い捨てスリッパ、ホットアイマスク

ビジネスシート(3列独立) プレミアムシート(2列個室タイプ)
リクライニングシート 〇(電動式)
フェイスカーテン ×
パーテーション ×
シートリモコン ×
照明スイッチ ×
読書灯 ×
小型ごみ箱・空気清浄機 ×
ビオレさらさらシート ×
※設備は都合により変更されることがあります
※紹介しているのは基本タイプです。繁忙期の増発便、車両の整備点検などにより異なる車両タイプの運行となる場合があります


最後に

西鉄バス「はかた号」の運行距離(約1,100km)と所要時間(約14時間)は、文句なしの日本トップクラス。にもかかわらず、長時間移動を感じさせない工夫が随所に見られ、実際に乗車してみると想像以上に快適であることがわかるはずです。

そして、「はかた号」のもう1つの売りは、ずばり「安心感」ではないでしょうか。高速バスの運行で長年の実績がある会社が運行し、なおかつ、担当する乗務員も超ベテランの精鋭ぞろいですので、安心・信頼して利用できます。

西鉄バスが数十年積み重ねて築き上げたサービスと安心・信頼の集大成である「はかた号」は、「キング」の名にふさわしい、日本でもトップクラスの夜行高速バスといえるのではないでしょうか。

西鉄バス車両

はかた号

※取材協力/西日本鉄道


※本記事は、2020/01/28に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

  • この記事を書いたライター

    須田浩司

    ライター、「ひろしプロジェクトWEB」の中の人 男性

    1973年釧路市生まれ、札幌市在住。自称高速バスナビゲーター。中学時代から高速バスに乗り続け、2018年2月9日に高速バス乗車1000回を達成。乗車記ブログ「ひろしプロジェクWEB」の中の人。雑誌、ネットニュースなどでライターの活動も。紙原稿、ネット原稿、同人誌、ブログなどでバス・鉄道を中心とした乗り物旅の素晴らしさを伝える活動を行っている。運行管理者資格(旅客)/国内旅行業務取扱主任者資格所有。

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