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by バス比較なび

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注目の電気バスを紹介! 増えつつある中国製電気バスを「バスラマ」から写真付きで紹介。国内販売会社は4社に

最近、中国製電気バスの話題が後を絶たない。2020年春以降の事例をバスラマの記事から拾ってみよう。全6種の電気バスを写真付きで紹介する。


BYDの電気バス3種

写真1 BYD K9.jpg

2020年春に富士急バスが富士山・富士五湖周辺の路線に3台を投入したBYD K9。K9は2015年から日本に輸入されている全長12mのフルサイズ電気バスで、2020年はこのほか岩手県交通が1台増備して2台体制にしたほか、埼玉県の協同バスがスクールバスに初採用するなど、2020年末時点で営業登録と自家用登録を合わせて31台を数える。


写真1B  BYD J6.jpg

同じくBYDが2020年に発売した日本向けの小型7m電気バスJ6は今年にかけて、上野動物園の都営モノレール廃止代替バス、長野県飯田市の実証実験運行(現在終了)、埼玉県久喜市のコミュニティバス(写真、運行受託:協同バス)、平和交通などに採用された。車体サイズは日野ポンチョと同等である。

写真2 BYD K8.jpg

BYDの新型車K8。今春、千葉市の平和交通に2台が初採用され、一般路線で運用を開始した大型10.5m電気バスである。日本のシティバスでは標準的な全長10.5mというサイズで、日本向けに開発され、定員数も国産ディーゼルバス並を確保する。一充電航続距離は最長220km。

なおBYD各車の国内販売は日本法人のBYDジャパン(横浜市)が行う。

アルファバス ECITY L10

写真3 ALFA (1).jpg

アルファバスのECITY L10。現在日本に輸入されている全長10.5mの大型電気バス3車の中では最初に発売されたモデル。開発には国内事業者の意見も反映されており、日本製のワンマン機器がほぼそのままで搭載できる点も特徴。

市販1号車は2020年秋に四国電力の自家用に採用された。また2号車は今年栃木県に採用され、日光交通に運行委託される奥日光のシャトルバス(赤沼駐車場―小田代原―千手ヶ浜間)で4月24日から運行を開始した。メーカーの江蘇常陸客車は中国の電気バスメーカーで、日本では電子部品商社エクセル、バス整備・改造会社ヴィ・クルーとの共同で設立したアルファバスジャパン(東京)が販売する。写真は「2020バステクフォーラム」で試乗に供されるメーカーデモ車。

オノエンスターEV 7m車

写真4 オノエン (2).jpg

オノエンスターEV 7m車。2016年から中国・揚州亜星(ヤーシン)製「アジアスター」の観光車を「オノエンスター」の名で販売してきた東京のオノエンジニアリングは、2020年にアジアスター電気バスの販売を開始した。

その端緒としてボンネットタイプ2台を埼玉県のイーグルバスに納めた後、全長10.5m・9m・7mの各シティバスを発売した。このうち7m車は日野ポンチョに似たスタイルだが、全幅は中型車並で車内はゆとりがある。一充電航続距離は最長200km。

市販1号車はイオンモール熱田が運行主体となり名古屋学院大学などが協業するイオンモール熱田巡回バスで、今年4月24日に稼働を開始した。保有は運行受託するレスクルである。なおオノエンジニアリングは今後、揚州亜星とともに設立したアジアスタージャパンにより本格的な市場展開をしていくという。


EVモーターズ・ジャパンの7m小型電気バス「F8」

写真5 EVM-J (1).jpg

現在EVモーターズ・ジャパン(北九州市)が市場展開の準備を進めている7m小型電気バスF8。同社と中国メーカーの共同で開発され、中国よりも使用年数の長い日本の環境を踏まえてステンレス骨格などを採用、優れた耐久性と軽量化を両立させている。

EVモーターズ・ジャパンはEVコンポーネント、バッテリーなどの開発経験を持つ技術者により設立され、各種電動車両の販売を手掛けている。


これらの電気バスはいずれも中国製である。中国製というと品質面などで懸念を抱く方がいるかもしれないが、環境汚染に伴い国の主導で開発が促進された中国の電気自動車は既に高い実績を持っている。中でも筆頭格のBYDでは欧州など世界200都市に出荷するとともに、英国などでは現地のボデーメーカーと協業し、現地製電気バスをリリースしている。

一方、日本の電気バスは1970年代に一部の大都市で公害対策として試験運用されて以降、半世紀近くにわたり専用モデルは新造されていない。
2012年には新車メーカーが開発した電気バスとして、日野ポンチョEVが一部のコミュニティバスに限定販売されたが、車両重量の嵩むディーゼル車をベースにしているため搭載バッテリーの容量が限られ、一充電航続距離が非常に短く、一運行ごとに急速充電をするケースもあった。これ以外で現在運行されている日本製電気バスはいずれも既存のディーゼルバスを改造したもので、車体構造は既存車のままであり、電気バス専用にアルミなどでボデーを軽量化した海外製電気バスに対しては、一充電航続距離に開きがある。

日本では現在、水素燃料電池(FC)バスの導入が都内・首都圏を中心に徐々に広がりつつあり、総台数は100台近い。だがFCバスは水素充填施設の設置や燃料充填時の回送の手間などインフラの課題があるとともに、車両コストが高く販売方法はリースのみという点など考慮すれば、電気バスの有利性がうかがえる。それだけに今後、国内メーカーからの電気バス発売を期待する事業者の声はより高まっていくだろう。

すでに完成度の高いモデルを揃える中国製電気バスの市場展開に、大きな関心が持たれる。(電気バス各車の特徴やスペックなどはバスラマ通常号各号および『年鑑バスラマ2020→2021』で紹介している)

ぽると出版「年鑑バスラマ2020→2021」

【発行日】2021年2月2日(火)
【定価】2,000円(税込2,200円)
【サイズ】A4判 104ページ
【書籍コード】978-4-89980-521-2
【概要】
・特別寄稿 地球環境保全に対して自動車ができること
・2020年国内バスハイライト
・国内バスカタログ 《掲載 国産バス15シリーズ、輸入車12車型》
・海外情報
・最新バス機器・用品ガイド
・歴史編 1990-1993 バスラマが出会ったバス達
・資料編 国内バス1年間の動向

ぽると出版HP

※本記事は、2021/05/27に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

  • この記事を書いたライター

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