国際的な大規模イベント「UITP2019」で見つけた世界の最新バス車両
公共交通をテーマにした世界最大のイベント「UITPグローバルパブリックトランスポートサミット2019」がスウェーデン・ストックホルムで開催された。近年バスに関しては、ディーゼル車から電気駆動系へのシフト、自動運転、MaaSの活用などに注目が集まっている。その中から、UITPに出展されたバスを一部紹介する。
- 2019.11.10
- バスラマインターナショナル
IT技術を活用した最新鋭バスに注目
公共交通に関する国際的なイベントの代表が、ここに紹介するUITPである。UITPは2年に1度開催され、世界の都市の交通行政担当者や公共交通事業者、研究者などが一堂に会するとともに、都市や地方の公共交通の課題や施策を発表し、情報交換を通じて今後の展開を語り合う場所である。
このイベントは日本ではさほど知られていなかったが、バスラマでは1997年から20年以上にわたり取材を続けており、それにより国内のバス関係者にも知られる存在になりつつある。2019年は5月にストックホルムで開催され、恒例の最新技術・車両の展示も行われたので、いくつかご紹介する。なお展示バスの多くはモーター駆動の電動バスやハイブリッドバスであり、ディーゼル車を見つけることは困難だ。
スカニアNXT
日本でも近年2階建てバスなどで採用例の増えているスウェーデンのスカニアが展示したコンセプトモデル。前後ホイール間のキャビンはバスだが、この部分を輸送用のカーゴに交換することでトラック(バン)になるという多用途車。もちろん電気駆動で、レベル5の完全自律走行が可能。
VDL ハイブリッド連節バス
オランダのVDLによるモーター駆動のハイブリッド連節バス。最近は100台がスキポール空港周辺で活躍を開始、ヨーロッパ最大の電気バスメーカーへと躍進中である。スタイリングに関心のない? 日本の路線バスとは彼我の差を感じる。
メルセデス・ベンツ e-シターロ
日本に馴染み深いブランドの例として、2018年に発売されたメルセデス・ベンツの電気バスをご紹介。車幅がやや広いことを除けば日本にも導入できそうなモデルで、一充電の最大航続距離は250kmという。なおシターロはシリーズ累計5万台以上が販売された実績の高いシティバスで、連節モデルは日本でも稼働例が多い。
BYD
電気バスで世界をリードするメーカーが、中国のBYDである。日本でも、京都、沖縄、盛岡、福島(尾瀬、会津)などで活躍している。展示車はすでに大きなマーケットを得ているヨーロッパ向けの新型車で、ユニークなスタイリングのボデーはBYD自製である。
ぽると出版「バスラマNo.175」
【定価】本体1,362円+税
【サイズ】A4判 96ページ
【書籍コード】978-4-89980-175-7
【概要】
・バス事業者訪問210「長電バス」
・特集 UITP2019 公共交通の課題と解答がここにある
・安全機能をステップアップ 新型日野セレガ登場
・発進! いすゞエルガデュオ連節バス
・バスラマのブラジルバス紀行
・はとバスの整備とリビルドターボ
・後付可能な右左折巻き込み防止警報装置 シールドプラス
・「シティバスはATが標準」の時代到来〈後編〉アフターサービス業者の対応を聞く
・走り出したアストロメガ 岩手県北自動車/西日本JRバス
・全国貸切バスウォッチング/各地の新車から ・短期連載 バリアフリー対応バスの系譜をたどる 第4回 シティバスの乗降性改善-4
・私の知っているバス達 4 バスファンが市民権を得るまで 〈バスラマ編集長 和田由貴夫〉
・粒よりの最新レポート、連載ほか
ぽると出版HP
※本記事は、2019/11/10に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。
バスラマインターナショナル
バス専門誌
バスラマインターナショナル(通称バスラマ)は、1990年に創刊した、隔月刊のバス専門情報誌です。毎号、日本国内にとどまらず、世界の様々なバス関連情報を、バスに関わるすべての方々にお届けしています。
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