国産ノンステップバスとの違いは? 東京都営バスがスウェーデンのスカニア製ノンステップバス29台を導入!【バスラマNo.172】
バスラマNo.172では、フルフラットバスの導入を行なった東京都交通局を取材。乗降性UP&車内移動がスムーズなスカニア製ノンステップバスの詳細を紹介している。今回の導入に対してバスラマでは、東京都交通局の努力を評価して「第22回バスラマ賞」を贈呈した。
- 2019.05.15
- バスラマインターナショナル
東京都営バスのフルフラットバスを取材
東京都交通局は2018年度の新車としてスウェーデンのスカニア製ノンステップバス29台を導入した。スカニアはエンジンやシャーシーを担当し、ボデーは連節バスで日本向けの実績をもつオーストラリアのボルグレンが製作した(日本ではボデーのメーカーに関わらず、法的にはエンジンメーカーが車種名となるので、以下スカニア製と記載する)。
このスカニア製バスの何が特徴かというと、国産ノンステップバスとは異なり、中扉から車内後ろの段差がなく、車内後方までフルフラットな通路を備えていること。これにより、中扉から後方への移動が容易になり、ラッシュ時でも収容力が増えるとともに、段差による車内事故の可能性も低減するというわけだ。同局では「日本初のフルフラットバス」を謳う。
ただし、中扉から後ろに段差のないノンステップバスは、国産でも1997年から2004年頃まで作られていた。しかしこの種のノンステップバスは駆動系のコストが高く、また当時は少数派だったAT車しかなかったこともあり、車内段差があるもののコストが比較的低い現在のタイプに集約された経緯がある(ヨーロッパでは、段差のあるタイプは乗降口だけ低いことから『ローエントリー』と区別している)。だから「日本初」というのはやや誇大広告ではあるが、今回のスカニアは同じフルフラットバスでも通路の傾斜角度がかつての国産車よりも小さく、移動性・居住性に優れている。
都営バスのスカニアは巣鴨営業所や小滝橋営業所などに配置され稼働を始めている。バスラマではこれまでも国内のバスの早期フルフラット化を期待してきたが、今回の導入に対する東京都交通局の努力を評価して、同局に「第22回バスラマ賞」を贈呈した。
そのほかバスラマNo.172では、「豊鉄バス/豊鉄観光バス」への事業者訪問や第1回静鉄バスドライバーズコンテスト、バスツアーのオンリーワン クラブツーリズム“フアースト”、自動運転の試乗会なども取材・掲載している。
ぽると出版「バスラマ No.172」
【定価】1,471円(本体1,362円+税)
【サイズ】A4判 96ページ
【書籍コード】978-4-89980-172-6
【概要】
・バス事業者訪問207「豊鉄バス/豊鉄観光バス」
・三菱ふそうエアロクィーン/エアロエース2019年モデル登場
・東京都交通局のフルフラットバスが運行開始&第22回バスラマ賞
・バスツアーのオンリーワン クラブツーリズム“フアースト”登場
・第1回静鉄バスドライバーズコンテスト開催
・自動運転の大型バスが東京・お台場で試験走行
・会津乗合自動車が電気バスを導入/岩手県交通が盛岡市内で電気バス運行開始
・帝産観光バスの新たな安全対策 全車にモービルアイを装着
・中京車体工業のマルチユースマイクロバス
・【新連載】短期連載 バリアフリー対応バスの系譜をたどる 第1回 シティバスの乗降性改善-1
・【新連載】私の知っているバス達 1 幼少期のバスの記憶から 〈バスラマ編集長 和田由貴夫〉
・続・ここまできたバスのAMT化 スカニア・オプティクルーズ
・各地の新車から/JRバスの新車から/全国貸切バスウォッチング
・都営バス トヨタSORAを増備/西鉄が高速車に新デザインを採用
・各地のバスイベントから
・いすゞ、カンボジアのプノンペンにODAバス80台を納車
ほか話題多数
ぽると出版HP
※本記事は、2019/05/15に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。
バスラマインターナショナル
バス専門誌
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