運行開始から54年…引退間近の関電トンネルトロリーバスはココが変わる! | 高速バス・夜行バスの旅行・観光メディア [バスとりっぷ]

by バス比較なび

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2018年3月に引退! 関電トンネルトロリーバスの後継者として「電気バス」が最適な理由とは

富山県と長野県の県境にそびえ立つ山々を、ケーブルカーやロープウェイなど様々な交通手段を駆使して乗り越える、立山黒部アルペンルート。その一端を担い続けた、関電トンネルトロリーバスの歴史とこれからに迫ります。

2017(平成29)年8月、関西電力は関電トンネルトロリーバスの運行を2018(平成30)年度で終了し、来年度からは全車両15台を「電気バス」に変更すると発表しました。

電気バスとはどのような乗り物なのでしょうか?

そもそもトロリーバスって?

トロリーバスとは、架線から電気をとって、それを動力として走るバスのこと。電気自動車のように充電する必要はありません。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。


関電トンネルトロリーバスとは?

長野県にある扇沢駅と、富山県の黒部ダム駅を結び、後立山連峰の中に掘られた約5.4kmの関電トンネル。そこを通っているのが関電トンネルトロリーバスです。

関電トンネルトロリーバスの車両デザイン(2017年撮影)。正面はトロリーバスラストイヤーの特別ラッピングが施されている
関電トンネルトロリーバスの車両デザイン(2017年撮影)。正面はトロリーバスラストイヤーの特別ラッピングが施されている

関西電力が運営を担当しており、1964(昭和39)年から運行し続けています。それから現在まで約半世紀、観光客を乗せるだけでなく、工事用の資材の輸送にも使われてきました。

2017(平成29)年には累計乗車人数6,000万人に。しかしランニングコストなどの面から、その1カ月後に、鉄道事業廃止が決定。2019年の車両更新時に、トロリーバスを廃止し、充電式電気バスに変更されることになりました。

電気バスって何?

電気バスとは、蓄電池に電力を貯め、それで電動機を回転させて走るバスのこと。基本的な仕組みは電気自動車と同じですが、バスは車体が大きく、より多くの電力が必要になります。それに対応するため、一般的な電気自動車のようなコンセント式充電と異なり、パンタグラフを用いて一気に大量の電力を充電します。

長所は、トロリーバスと同じように、排気ガスが出ない点や、走行音が静かな点。また架線が必要なくなるため、通常の自動車のように自由に進路をとって走行できます。

戦後から1980年代頃まで、各地で試験的に導入されていましたが、電池の消耗やそれによってクーラーをかけられないことが問題となり、定着には至りませんでした。

しかし2010年代から、リチウムイオン二次電池を使ったバスが開発され、そのおかげで電池問題は解決されつつあります。

2012年には東京都墨田区のコミュニティバスが初めて、電気バスを使用した路線バスとなりました。

ここが変わる! 電気バス運行の詳細情報

1964(昭和39)年から54年間にわたって活躍し続けた関電トンネルトロリーバス。その全15台が2019年4月から電気バスとなります。

車両はすべて新しいものに変更となりますが、今回用いる電気バス車両は、ディーゼルバスからエンジンを取り出して、モーターとバッテリーを付けて改造したものを使用します。内装も近代的にチェンジ。

トロリーバスの内装。運行当初を思わせるレトロなデザイン
トロリーバスの内装。運行当初を思わせるレトロなデザイン
関電電気バスの内装イメージ。関西電力オリジナルブランドがデザインした
関電電気バスの内装イメージ。関西電力オリジナルブランドがデザインした

また車両デザインは、54年間無事故で運行し続けたという安全運転への強い思いを込めて、大きな変更はしていません。ベース色を白に変更することで、新しさやさわやかさを表現したといいます。

2019年から運行する電気バス車両。グレーとオレンジのラインはトロリーバス車両のものを踏襲。車両上部に充電用パンタグラフが付いている
2019年から運行する電気バス車両。グレーとオレンジのラインはトロリーバス車両のものを踏襲。車両上部に充電用パンタグラフが付いている

運行はトロリーバスと同じ黒部ダム駅・扇沢駅間の片道16分の行程。1往復ごとに、約10分間の超急速充電を扇沢駅で行います。

関電トンネルトロリーバスの後継者として、電気バスが最適な理由

関電・立山トンネル内がトロリーバス運行に最適であったのと同じように、この環境は電気自動車の不安点を補える要因があります。

その最大の理由は、エアコンをかけなくていいこと。関電・立山トンネル内は日差しが入らず、標高も高いことから、平均気温は夏でもおよそ12~13度で、むしろ肌寒いほど。冷房をかける必要はもちろんありません。

加えて運行距離も片道6kmほどなので、長距離・長時間運行にもなりません。トロリーバスの採用理由でもあった、トンネル内に排気ガスがこもるからそれが出ないように、という条件もクリアしています。

関電・立山トンネルは、まさにトロリーバス・電気バス両方に最適な環境なのです。

珍しいバスが二種揃い踏み! 立山黒部アルペンルート

関電トンネルトロリーバスが電気バスに変わることで、日本唯一となる立山トンネルトロリーバスと、最新技術を搭載した関電電気バスが、一気に楽しめるようになります。
 
世界有数の大規模山岳観光ルートである立山黒部アルペンルート。雄大な自然に囲まれつつ、多様な交通手段にも注目してみましょう!

文/風来堂

※本記事は、2018/10/02に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

  • この記事を書いたライター

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