4列シートの最上級シートとは? 旭川電気軌道・旭川~新千歳空港間の新路線「たいせつライナー」の初便に乗車してみた! | 高速バス・夜行バス・バスツアーの旅行・観光メディア [バスとりっぷ]

by バス比較なび

乗車体験記

4列シートの最上級シートとは? 旭川電気軌道・旭川~新千歳空港間の新路線「たいせつライナー」の初便に乗車してみた!

旭川駅〜新千歳空港をむすぶ新たな高速バスとして2018年4月25日(水)に運行を開始した「たいせつライナー」。乗り換えなしで同ルートをむすぶ唯一の交通手段として注目を集めています。今回は、この路線の開業初便に乗った感想を乗車記としてまとめました。

ざっくり、こんな「たいせつライナー」

  • JRでは乗り換えが必須な旭川~新千歳空港間を一直線!
  • 幅広リクライニングシートやUSBポートを完備! 充実の車内設備
  • 片道運賃3,800円はJRの約7割弱の値段


北海道第2の都市「旭川」と空の玄関口「新千歳空港」を結ぶ都市間バス「たいせつライナー」が、2018年(平成30年)4月25日(水)に運行を開始しました。

2016年春のダイヤ改正でJRの直通特急が運行中止になって以降、旭川~新千歳空港間は札幌での乗り換えが必須になっていました。それだけに、乗り換えなしで移動できる新たな高速バスは各方面から注目されています。

そこで今回は、旭川~新千歳空港「たいせつライナー」の開業初便に乗車してみた様子や感想をレポートします。

旭川電気軌道「たいせつライナー」
旭川電気軌道「たいせつライナー」


旭川駅前21番のりばから乗車! 旭川駅東口バスターミナルでないので注意

今回は開業初便に乗車するために、乗車日の前日に旭川にやってきました。旭川駅前のホテルに宿泊し、翌日は早朝から旭川駅前のバス乗り場へ向かいます。

JR旭川駅
JR旭川駅

旭川駅には、駅東口にバスターミナル(バスタッチ)があります。しかし、「たいせつライナー」はこのバスターミナルからではなく、旭川駅前21番バス乗り場から発車します。乗車の際はご注意ください。

「たいせつライナー」のバス停は旭川駅前21番乗り場
「たいせつライナー」のバス停は旭川駅前21番乗り場


旭川駅前21番乗り場にアクセスするには、駅東口にあるイオンモール旭川駅前の信号を渡り、旧西武百貨店B館前を目指します。近くに、ビジネスホテル「ホテルルートインGrand旭川駅前」があるので、こちらを目印にするとわかりやすいかもしれません。

「たいせつライナー」の旭川発初便発車時刻は06:00。 発車時刻10分前には乗り場に入線し、乗車改札を行います。

乗車改札中の旭川電気軌道「たいせつライナー」
乗車改札中の旭川電気軌道「たいせつライナー」

旭川~新千歳空港線「たいせつライナー」は、旭川電気軌道(本社:旭川市)と北都交通(本社:札幌市)の2社が共同で運行しますが、私が乗車したのは旭川電気軌道担当便でした。

同社は、旭川市内や近郊で路線バスを運行するほか、貸切バスも提供する老舗のバス会社ですが、高速バスの運行は意外にもこの路線が初めて。運行開始第1便ということもあり、社員さんが10名ほど見送りに来ていました。


幅広リクライニングシートにUSBポートを装備した充実の車内

では、早速乗車してみましょう。

車内には、幅広で座り心地の良さそうな4列シートが並びます。自家用車と同じ「3点式シートベルト」を全席に搭載。安全面にも配慮しています。

聞くところによると、現行の4列シートの中でも最上級のシートなんだとか。初の高速バスということもあってか、気合が入った造りになっています。

座り心地が良さそうなシート。3点式シートベルトを全席に搭載している
座り心地が良さそうなシート。3点式シートベルトを全席に搭載している

旭川電気軌道「たいせつライナー」 5501_04 シート_01.jpg

フルにリクライニングしても、シートの角度は若干浅めではありますが、移動時間3時間弱の昼行路線であればこれで十分だと感じました。

シートをフルにリクライニングした状態
シートをフルにリクライニングした状態

各座席には、フットレスト(足置き台)を装備。靴を脱いでくつろぐことができます。北海道内の中距離高速バスでこのような足置き台を装備する車両は珍しいだけに、新鮮に映りました。

各座席にはフットレットを装備。靴を脱いでくつろぐ
各座席にはフットレットを装備。靴を脱いでくつろぐ

もちろん、携帯電話やスマートフォンの充電に便利なUSBポートも各座席に完備。窓側座席のUSBポートはシート横の壁に、通路側座席のUSBポートは肘掛の下にそれぞれ設置されています。

携帯電話・スマートフォンの充電用のUSBポートも完備
携帯電話・スマートフォンの充電用のUSBポートも完備

携帯電話・スマートフォンの充電用のUSBポートも完備

車内ではWi-Fiサービスも提供されています。ネット接続の心配も必要ありません。

Wi-Fiサービスも提供されている
Wi-Fiサービスも提供されている

荷物棚には座席数分のブランケットが置かれています。昼寝したい時や足元が寒いときに役立ちますね。

荷物棚にはブランケットが
荷物棚にはブランケットが

車内最後部にはトイレも完備。いざという時にありがたい設備です。

車内最後尾にはトイレを完備
車内最後尾にはトイレを完備

そして、今回は開業初便に乗車したということで、乗車時に記念品をいただきました。「たいせつライナー」のクリアファイルと、旭川銘菓「the sun蔵人」の生チョコサブレ「蔵生(くらなま)」です。生チョコサブレは、自宅に持ち帰って美味しくいただきました。

乗車時にいただいた記念品
乗車時にいただいた記念品


「たいせつライナー」は10人の乗客を乗せ一路新千歳空港へ

旭川電気軌道の社員の方々が手を振って見送る中、バスは06:00定刻に旭川駅前を発車。10分ほど走行したのち、7条昭和通バス停で乗車扱いを行ない、さらに10分ほど走行して、旭川鷹栖(たかす)インターから道央自動車道に入ります。


この便の乗客数は、私を含めて10名。車内を見回してみると、30代~60代の新千歳空港利用者が目立ちます。私を含め、キャリーケースを床下のトランクに預けていた方も多く、「JRの乗り換えが煩わしいと感じる利用客をターゲットにした」というバス会社側の狙いは、ある程度当たっているのかもしれません。

バスは、北海道らしい景色を眺めながら、道央自動車道を西へと進みます。

北海道らしい景色を眺めながら、バスは西へと進む
北海道らしい景色を眺めながら、バスは西へと進む
北海道らしい景色を眺めながら、バスは西へと進む
北海道らしい景色を眺めながら、バスは西へと進む
遠くの山々には雪が残っている

春の北海道ですが、遠くの山々にはまだ雪が残っています。

遠くの山々には雪が残っている
遠くの山々には雪が残っている


途中の休憩は1回のみ! 岩見沢からは一般道を走行

旭川駅前を発車し1時間20分ほどで、バスは休憩場所である岩見沢サービスエリアに到着します。途中の休憩はこの1回のみ。時間も10分間と短いので、トイレや飲食物の購入など、つかの間の休憩を効率よく使いたいものです。

岩見沢サービスエリアにて停車中の「たいせつライナー」
岩見沢サービスエリアにて停車中の「たいせつライナー」
旭川電気軌道「たいせつライナー」 5501_20 岩見沢SAにて_03.jpg

このサービスエリアには売店やスナックコーナーがありますが、早朝で閉まっていたため、私はトイレと飲み物を購入してバスに戻りました。

岩見沢サービスエリアを発車したバスは、数分で岩見沢インターを通過。ここで道央自動車道とはお別れし、ここから先は一般道(国道234号~国道274号~道道870号~国道337号)を新千歳空港までひた走ります。

岩見沢インター~新千歳空港間は一般道を走行
岩見沢インター~新千歳空港間は一般道を走行

千歳市に差し掛かると、「これぞ北海道!」といいたくなるような、雄大な景色が一面に広がります。

雄大な景色が一面に広がる
雄大な景色が一面に広がる

道東自動車道千歳東インター前からは、造りが立派な「道央圏連絡道路へ」。前方に飛行機が見えると、新千歳空港はすぐそこです。

そして、定刻よりも若干早い8:41に、バスは新千歳空港国内線ターミナルに到着しました。

新千歳空港国内線ターミナルに到着した「たいせつライナー」
新千歳空港国内線ターミナルに到着した「たいせつライナー」

このあとバスは、新千歳空港国際線ターミナルを経由してJR南千歳駅まで運行されますが、私はこのあとの所用の関係から、こちらで下車。係員からトランクに預けた荷物を受け取ったあと、次なる目的地へと向かうのでありました。

※2019年8月30日より、降車場所は国内線ターミナルのみになりました。


大きな荷物を持って乗り換える必要なし! 片道3,500円はJRよりも割安

今回、久しぶりに高速バスの開業初便に乗車しました。事前告知が必ずしも十分におこなわれていない中での10名という乗客数に、今後のPR次第では利用客の伸びが期待できるのではないかと感じました。

このバスのセールスポイントは、「乗り換えなしで移動できる便利さ」と「格安な運賃」、そして「ハイグレードな車内」です。


旭川~新千歳空港間を移動する場合、以前はJRの電車を利用するのが一般的でしたが、2016年春のダイヤ改正でJRの直通特急が運行中止になってからは、必ず札幌で乗り換えなければならなくなりました。特に、大きなキャリーケースを持っての乗り換えを、しんどいと感じる方も多いはずです。

その点、高速バス「たいせつライナー」は、旭川~新千歳空港間を乗り換えなしで移動できます。しかも、大きな荷物はバス床下のトランクに預けることができ、出し入れも乗務員または係員が行なってくれますので、これだけでも移動がかなり楽になります。

旭川駅に停車中の「たいせつライナー」
旭川駅に停車中の「たいせつライナー」

JRの運賃と自由席特急料金の合計が片道4,800円(往復7,850円:札幌~旭川間は自由往復割引きっぷ「Sきっぷ」を適用した場合の運賃)であるのに対し、バスの運賃は片道3,800円(往復7,000円)と格安(2020年11月現在の運賃)。

所要時間はJRの特急が約2時間であるのに対し、2時間45分と多少時間かかってしまいますが、JR札幌駅での乗り換え時間を考慮すると、JRの移動時間は実質2時間10分前後となり時間差が縮まります。飛行機との乗継がスムーズにいけば、「バスの方が安くて楽」という考え方もできるかと思います。


フットレスト(足置き台)を搭載した幅広リクライニングシートをはじめとする「ハイグレードな車内」にも注目したいです。携帯電話・スマートフォン充電用のUSBポートやWi-Fiサービスの提供も、利用者にとってはありがたい設備であるといえましょう。

運行本数が1日4往復と決して多くはありませんが、利用する飛行機の時間次第では、かなり使える路線だと感じました。

・大きな荷物を持っての乗り換えはしたくない
・多少時間がかかっても良いので、乗り換えなしでゆったりと移動したい

という方には最適なバスではないでしょうか。


※取材協力/旭川電気軌道

※本記事は、2018/05/17に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

  • この記事を書いたライター

    須田浩司

    ライター、「ひろしプロジェクトWEB」の中の人 男性

    1973年釧路市生まれ、札幌市在住。自称高速バスナビゲーター。中学時代から高速バスに乗り続け、2018年2月9日に高速バス乗車1000回を達成。乗車記ブログ「ひろしプロジェクWEB」の中の人。雑誌、ネットニュースなどでライターの活動も。紙原稿、ネット原稿、同人誌、ブログなどでバス・鉄道を中心とした乗り物旅の素晴らしさを伝える活動を行っている。運行管理者資格(旅客)/国内旅行業務取扱主任者資格所有。

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