中国製の中型観光バス「オノエンスター」AT車に試乗! 国産のどのバスともバッティングしない独特のサイズ | 高速バス・夜行バス・バスツアーの旅行・観光メディア [バスとりっぷ]

by バス比較なび

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中国製品のイメージを変える? バスラマが「オノエンスター」のAT車に試乗

バスラマNo.166では、中国製の中型観光バス「オノエンスター」を試乗レポートしている。東京・八王子で自動車整備・輸入販売などを手掛けるオノエンジニアリングが販売しているオノエンスターは、これまでMT車のみだったが、2017年暮にトルコンAT車もデビューした。

国産バスが選択肢を減らす中、外国製のバスが相次いで登場している。今回ご紹介する中国製の中型観光バス・オノエンスターも、国産バスにはない新ジャンルで市場を開拓しようとする新たなスターである。

オノエンスターは東京・八王子で自動車整備・輸入販売などを手掛けるオノエンジニアリングが販売するバスで、2016年11月、神奈川県の貸切事業者で日本向け初号車が稼働開始、同11月に開催した第2回バステクin首都圏で一般公開、2017年5月に開催した2017バステクフォーラムでは“関西デビュー”を果たした。

「オノエンスター」正面
「オノエンスター」正面
「オノエンスター」背面
「オノエンスター」背面

これまではMT車のみだったが、2017年暮、かねてから予告されていた本命のトルコンAT車が登場したのを機に、バスラマNo.166で試乗レポートをお届けした。


揚州亜星モーターが製造する大型車幅の短尺バス「オノエンスター」

国内ではオノエンスターの名称で販売されるこのバス、製造元は中国の揚州(杨州)亜星モーター(英語表記はYangzhou Yaxing Motor Coach Ltd,以下YYMC)が開発・製造する。YYMCは中国東部の江蘇省(首都は南京)で長年にわたりバス製造をしてきた江蘇亜星(Jiangsu Yaxing)の子会社で1998年に創立した。

中国のバス媒体によれば81万5,000㎡の敷地で、開発、シャーシー・ボデーの組立、シートの生産や完成車検査、テストコース、販売部門に至るバス製造・販売を一貫して行っている。生産台数は6,000台以上というが、特に近年は電気バスの比率が急速に高まっているそうだ。

YYMCのホームぺージでは多彩なラインアップが紹介されているが、特にリヤエンジン観光車はヨーロッパのそれに見劣りしないデザインを積極的に採用していて、他の中国製バス同様、製造方法や品質管理の多くをヨーロッパから学んでいるものと想像する。


日本向けのオノエンスターは全長8mで全幅・全高は国産大型ハイデッカーに準じた、いわば大型車幅の短尺車であり、結果としては国産のどのバスともバッティングしない独特のサイズになった。少人数向けの観光車を求めるニーズには新たな選択肢になるわけだ。

「オノエンスター」車内
「オノエンスター」車内

日本の貸切バス事業者が少人数団体向けのバスを選ぶ場合、まずフロントエンジンの小型バス=マイクロバスがある。だが長時間の移動を想定すれば20~29席の標準仕様は不向きだ。

中型バスにセグメントされる車体幅2.2~2.3mの全長9m車は選択肢自体が乏しく、大型車に比較すればシート幅が狭く居住性で見劣りする。そこで大型車幅の全長9mが選択肢になるが、気づいた時には車両価格は大きく跳ね上がっている。

製造者側からすれば全長以外は大型車と同じ製造工程を要するのだから、12m車と価格差が少ないのは当然だが、使用者の期待とは乖離する。

中国製のバスになぜ8mクラスが存在するのかはよくわからないが、日本でも全長7m、9mに理由があるように、それぞれの事情があるのだろう。結果として中型ショート車の全長で大型車幅という日本では空白のジャンルがここにある。市場規模はニッチなのかもしれないが、そこに商品展開する意味と結果はこれからわかるのだろう。


中国製品に対するネガティブなイメージの払拭なるか?

試乗記事の要約には限りがあり、レポーターの意図が必ずしも反映しないケースも生じるので、ここではアウトラインに留めるが、結論としてカミンズ製エンジンは非常にパワフルであり、アリソン6速ATとのマッチングもよかった。より完成度が高まることを期待したい。

日本人が抱く中国製品に対するイメージにはとかくネガティブな雰囲気がつきまとうが、バスの世界ではそろそろそうした先入観を払拭する時期なのではないだろうか。


オノエンスターも現時点では国産観光バスが備える技術や仕様のすべてをカバーしているわけではない。しかし、しっかりしたボデーや好感が持てるデザイン、グローバルに信頼を得ているコンポーネントは既に備えているのだから、その意味では世界市場の標準レベルに到達している。

独自のサイズは日本のバス市場でも存在感が高い。同時に近年のヨーロッパ市場で注目を集め実績を上げていく中国製バスの勢いを考えれば、日本のバス業界も、もっと世界の動きに関心を払う意味がある。そんなことも感じた試乗だった。


詳しい試乗会のレポートは、バスラマNo.166で紹介している。ほかにも本誌の特集では「バス事業者訪問」で山梨交通を訪問、三井物産の電気バス事業なども取り上げている。

なお5月25日(金)に大阪・舞洲で開催される2018バステクフォーラムには、今回紹介したオノエンスターAT車が試乗車と展示車で登場する。見学と客席試乗は自由なので、ぜひご確認いただきたい。


ぽると出版「バスラマ No.166」

【発行日】2018年2月25日
【定価】1,471円(本体1,362円+税)
【サイズ】A4判 96ページ
【書籍コード】978-4-89980-166-5
【概要】
・バス事業者訪問No.201(山梨交通)
・特集 2ペダルの最新観光車試乗
・過去最大で最後 KortrijkのBusworld【後編】
・動き出した三井物産の電気バス事業
・富士重工製の都営バスがラストラン
・パイオニアと茨城交通 自動運転技術開発に向けた実証実験開始
・常に健康で乗務してもらうために―WILLER EXPRESS東京営業所開設
・冬でも元気! 2018年1月の北海道のバス達
・第21回バスラマ賞はトヨタコースターに
・短期連載 ここまで来たバスのAMT化 日野自動車
・粒よりの最新レポート、連載ほか

ぽると出版HP


※本記事は、2018/05/21に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

  • この記事を書いたライター

    バスラマインターナショナル

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