ひたすら寝られるぞ! 移動時間約16時間の旅! 日本最長距離を走るオリオンバスに乗って東京〜博多へ | 高速バス・夜行バス・バスツアーの旅行・観光メディア [バスとりっぷ]

by バス比較なび

乗車体験記

ひたすら寝られるぞ! 移動時間約16時間の旅! 日本最長距離を走るオリオンバスに乗って東京〜博多へ

日本最長の距離を走るバスに乗りたいかー! おー! と勢いをつけてみたものの、すっごく乗りたいかっていうと微妙です。とはいえ、「最長」と聞けば一度は乗ってみたい……気もする……ってことで、東京から博多へ。走行距離約1,100キロ、移動時間約15時間50分。日本で最長の夜行バスに乗ってきました!

東京~博多「オリオンバス」はざっくり、こんなバス

  • 日本最長距離を走るバス! 移動時間は約15時間50分
  • 快適なのびのびシートプラスは長距離移動の強い味方
  • 乗っている時間が長いので、睡眠がたっぷりとれる!?

日本最長距離を走るバスに乗りたいかー!
おー!
乗りたいかー!
おー!

すっごく乗りたいかっていうと微妙ですが、「最長」と聞けば一度は乗ってみたい……気もする……ってことで、東京から博多へ。走行距離約1,100キロ、移動時間約15時間50分。日本で最長の夜行バスに乗ってきました!


日本最長の距離を走る「オリオンバス」が東京駅鍛冶橋駐車場に姿をあらわした!

現在、東京~博多のバスはオリオンバスと西日本鉄道の2社が運行しており、今回乗ったバスはオリオンバス。4列シートの「8021便 のびのびプラス」で、豪華バスの西日本鉄道「はかた号」より料金はだいぶ安く、通常料金8,500円~10,500円(日によって変動、GWなど除く)です。

ちなみに快適度の高い新幹線は、東京から約22,000円で5時間ほど。そのほか飛行機は、LCCの登場以降、セール時や平日の早朝便などをうまく駆使できれば、成田空港からびっくりするくらい安く行くことができるようになりました。羽田空港発のスカイマークの便が10,000円前後で搭乗できます。

そういった安い便をうまく利用できるなら、夜行バスより飛行機に軍配は上がってしまいそうなものですが、飛行機は価格変動が大きく「高いときはとても高い」という問題が。休みの時期などは、20,000円越えが当たり前です。

今回はちょうど春休みの最中だったため、飛行機と比較するとオリオンバス「8021便 のびのびプラス」が最安値。春休みは宿も高いので、車内で一泊できると思えば、さらにお得な状況でした(そのため人気で、1週間前にはほとんどの便が満席になっている事態に!)。

東京駅の八重南洲口を出て徒歩8分ほどにある「東京駅鍛冶橋駐車場」が乗車場所です。

東京駅鍛冶橋駐車場
東京駅鍛冶橋駐車場
待合室
待合室

トイレをすませて待っていると、これから16時間近くお世話になるバスがやってきました。

黄色いバスが現れた! どこに停車しても目立つから心強い!
黄色いバスが現れた! どこに停車しても目立つから心強い!


オリオンバス のびのびプラス! 4列のびのびシートプラスはこんな感じ!

車内に乗り込むと、座席をぎりぎりまで倒した状態でスタンバイ。たいていのバスは各々が後ろの人に一言かけて倒すようになっていますが、それだとどこまで倒していいのか気を使うわけで、最初から倒れているのは、たいへんありがたいのです。

どーん!!  限界まで倒れに倒れている!
どーん!! 限界まで倒れに倒れている!

また「のびのび」というだけあって、足もそこまで窮屈ではなくて、これなら長時間も耐えられそう。


ちなみにオリオンバスは、今回乗車した「のびのびプラス号」のほか、GWや夏休み期間などに限り「のびのびシート号」を東京〜福岡間で運行する場合があります。

「のびのびプラス号」との違いは、「のびのびシート号」はバスタ新宿に停車しないところと、座席幅&シートピッチ(座席間隔)。


のびのびプラス号が備えている座席は、座席幅46.5cm・シートピッチ96cm・リクライニング角度128度の「のびのびシートプラス」です。これに対して、のびのびシート号は、座席幅42〜45cm・シートピッチ94cm・リクライニング角度130度の「のびのびシート」を備えています。

リクライニング角度は2度浅いものの、座席幅が1.5〜4.5cm・シートピッチが2cm広くなったのびのびシートプラスは、のびのびシートのパワーアップバージョンという位置付けです。(今回掲載の画像はすべて「のびのびシートプラス」)

 ブランケットは座席の上
ブランケットは座席の上
電源はひじかけの下にあります。USB専用で、コンセントでの充電はできないので注意
電源はひじかけの下にあります。USB専用で、コンセントでの充電はできないので注意
前の座席にドリンクホルダー。フットレストはありません
前の座席にドリンクホルダー。フットレストはありません
 
カーテンの様子はこんなかんじです
カーテンの様子はこんなかんじです
枕はわりといいかんじ
枕はわりといいかんじ

東京から乗り込んだのは5人ほど。「最長を体験!」ってわたしは東京からにしましたが、通常は少しでも乗車時間を短くしようと、新宿から乗ろうと考えるのかもしれません。

定刻の20時20分に出発すると、ここで軽く運転士さんから注意事項が。車内でカップラーメンなど香りの強いものを食べたり、飲酒するのは禁止。最初の休憩は静岡SAとのことでした。

乗客はやっぱり若い人が多いです。暖房の加減で、前方に男性、後方が女性という配置に
乗客はやっぱり若い人が多いです。暖房の加減で、前方に男性、後方が女性という配置に

バスは都内を順調に走行して、20時45分に「バスタ新宿」に到着。満席になって、定刻の21時に出発しました。ここで丁寧な乗車案内が、車内のモニターで放送されます。後方の人が見やすいように、5列目後ろからテレビがするすると降りてくるというハイテク仕様です。

道中は、15分~30分ほどの休憩が2、3時間に1度あります。博多まで大幅な遅れなどがなければ、SAやPAで合計6回の休憩があるもよう(新山口で降りる人は5回)。

このような予定に。前方に貼り出されており安心
このような予定に。前方に貼り出されており安心

せっかくなので、全部の休憩場所で降りてみることにしました。


オリオンバスの休憩時間はこんな感じ! 道中のSA・PAをご紹介


静岡県「静岡SA」(新東名高速道路)

23時20分に到着して、20分ほど休憩です。

静岡SAの出発時刻
静岡SAの出発時刻
静岡SA
静岡SA

とりあえず待ちに待ったトイレへ。それから、小腹がすいたので「寝る前におにぎりでも食べよう」と思って「ヤマザキデイリーストア」に入ったら……。

おにぎりがない! なにもない!
おにぎりがない! なにもない!
「ドライバーズスポット」にも、おにぎりがない!
「ドライバーズスポット」にも、おにぎりがない!

「おにぎりは人気だから乗車前に買っておけ」という教訓を得て、この休憩後、消灯となりました。


三重県「湾岸長島PA」(伊勢湾自動車道)

ナガシマリゾート直営のレストランや足湯がある珍しいパーキングエリアらしいのですが、深夜なのでなんにもわかりません。

湾岸長島PAの出発時刻
湾岸長島PAの出発時刻
湾岸長島PA
湾岸長島PA

黄色いバスは暗くてもすぐ見つけられて安心です
黄色いバスは暗くてもすぐ見つけられて安心です


兵庫県「三木SA」(山陽自動車道)

西日本最大のサービスエリアらしいのですが、まだ薄暗くって閑散としています。そしてとくにやることがない……。

三木SAの出発時刻
三木SAの出発時刻
三木SA
三木SA

赤福もまだ入荷していないぞ
赤福もまだ入荷していないぞ


広島県「八幡PA」(山陽自動車道)

「もみじ饅頭」の旗を見て、広島まで来ていることがわかりました!

八幡PAの出発時間
八幡PAの出発時間
八幡PA
八幡PA


山口県「富海PA」(山陽自動車道)

気づけばもう山口県まで来ているじゃないですか!

富海PAの出発時間
富海PAの出発時間
富海PA
富海PA

いきなり外が明るくなってて、不思議な感じ
いきなり外が明るくなってて、不思議な感じ

このPAの手前で「おはようございます」のアナウンスと共に、カーテンを開けてもよいとのアナウンスがありましたが、誰ひとり開ける者はおらず、また座席のリクライニングを上げる人もいません。車中の過ごし方は「ひたすら寝る」一択! といった感じです。

しかし、これが意外といい! 普段寝るのが遅いわたしは、夜行バスの消灯時間は早い、そして朝も早い。やっと眠くなって寝入ったと思ったらもう着いちゃった~。睡眠はこれからなのに、つらい……といった状況になることが多々あるわけですが、博多へは着くのが昼過ぎです。

いくら深夜から寝始めたって「ちょっともういいかげん寝られないよ……」ってな気持ちになるくらい、長々と乗っていることができる。長さがつらいだろうとばかり思っていましたが、「飽きるくらい眠れる」と前向きに考え直せば、車中の時間が意外と贅沢なものに感じられるのです。


山口県「壇ノ浦PA」(山陽自動車道)


壇ノ浦PAの出発時間
壇ノ浦PAの出発時間
壇ノ浦PA
壇ノ浦PA

小1時間ほどで「新山口」に到着して数人が降りたのち、さらに1時間で次の休憩場所である「壇ノ浦PA」に着きました。「ここから関門橋を渡って九州へ上陸するのか。ついにここまで来たのだ」という気持ちがむやみに高まります。ただ、乗って寝てただけなんだけど……。

※便によっては「新山口」に停車しない場合あり

展望場所があって、関門橋と関門海峡が見えます
展望場所があって、関門橋と関門海峡が見えます
関門橋地図

不思議なホテルが併設されていました
不思議なホテルが併設されていました

旅籠屋


いよいよ博多に到着! ぐっすり眠れて元気いっぱい!

そんなわけで、それから1時間半ほど。通路側の座席だったため、車窓もなにも見ないまま、どうやら「小倉」に着き、さらにうとうとしていると、きっちり定刻の12時10分頃、「博多」へ到着していました。

着いたどー!! ひたすら寝てたら着いたどー!! 感慨もひとしお……(?)。よく寝て元気いっぱいなので、はやく動きたい気持ちです。

停留所の「博多総合庁舎前 バス停」から博多駅へは徒歩数分でした
停留所の「博多総合庁舎前 バス停」から博多駅へは徒歩数分でした

※博多側の乗降地は2018年12月に「HEARTSバスステーション博多」になりました

オリオンバスのバス便

※取材協力/オリオンツアー


※本記事は、2018/04/18に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

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    この記事を書いたライター

    かとうちあき

    「野宿野郎」編集長(仮) 30代 / 女性

    1980年神奈川県生まれ。野宿旅行に憧れた中学時代を経て、高校一年生でめでたく野宿デビュー。以後、順調に野宿を重ね、人生をより低迷させる旅コミ誌「野宿野郎」の編集長(仮)&社長(自称)。著書は『野宿入門』(草思社文庫)と『野宿もん』(徳間書店)『バスに乗ってどこまでも』(双葉社)。

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