ご存知ですか? 世界最大のバスショー「Busworld Europa 2017」
世界最大のバスショー・Busworld Europa 2017が、ベルギー西部の都市・コルトライク(Kortrijk)で開催された。出展企業は33カ国から376社、展示されたバスの台数は屋内展示231台、屋外に試乗車など80台。展示スペースの兼ね合いで、コルトライクでの開催は今回が最後となった。
- 2018.02.16
- バスラマインターナショナル
出展企業は33カ国から376社、展示されたバスの台数は231台が屋内展示、加えて屋外にも試乗車など80台のバスが集合するという世界最大のバスショー・Busworld Europa 2017がベルギー西部の都市・コルトライク(Kortrijk)で開催された。
主催者発表の来場者数は、世界118カ国から3万7,241人で過去最高。主催者によれば出展を希望したものの、会場の面積不足で果たせなかった企業は70社を数えるとか。
こうしたBusworldに対する期待感がますます高まりを見せていることを受け、次回はより広い展示スペースを求めて舞台はブリュッセルに移る。
1971年の初回以来24回に及ぶ開催地・コルトライクでの開催は今回が最後になることも、主催者や出展企業にとっては大きな話題であった。
バス専門雑誌「バスラマ」では1991年以来、毎回訪問しているこのイベントだが、来場者数や展示規模に加えて出展企業の意気込みも間違いなく過去最大と映った。
3つの課題に向け、電気バス・ハイブリッドバスが勢ぞろい
1)都市における交通渋滞の解消
2)CO2削減による地球温暖化の防止
3)排出ガスのクリーン化で大気汚染による健康被害をなくすこと
これら3つの現代社会が直面する大きな課題は、今回の会場内でも「合言葉」のように繰り返し語られていた。
こうした雰囲気を反映して会場内にはシティバスを中心に数多くの電気バスが展示され、屋外にも電気バスや水素を燃料とする燃料電池バスが何台も並び試乗に供されていた。
その背景には「バスラマ」でも既報したように、ヨーロッパでは関連32メーカー、90都市、総計800台のバスが参加したプロジェクト・Zeus(Zero Emission Urban bus System)があるからだ。
ポストディーゼルバスという共通の課題に向けて、多くの人々や企業が集い、様々な技術が実践的かつ同時多発的に進行中であることが大きい。その結果として大型連節バスからミニバスまで、会場内に展示される電気バスは一段と多彩になった。
今回はバスラマNo.165に掲載した電気バス・ハイブリッドバスのごく一部を紹介する。
VDLシティアSFLA-e オランダ製の連節電気バス
2015年のUITPでデビュー。ドイツ・ケルンに続いてオランダ・アイントホーベンで稼働を始めた。途中充電中のディスプレイだが、シティア標準仕様に対して曲面豊かなフロントフェイスは“BRTルック”と呼んで区別される。
展示車両は全長18mで4ドア装備。下は後方から見た同車の外観、もちろん車両最後部までフルフラットである。
BYDミディバス
全長8.75m、座席数26で定員50人。2018年夏からオランダ北部でコネクション(Conexxion)が運行を予定している中国製電気バス。受注台数は21台。道路側は前扉がシングル、中扉が左右に開くダブルドアを装備する。
インテリアはシンプルだが、エクステリアのウインドーグラフィックは目を引くことだろう。BYD電気バスはヨーロッパでも広く活躍し、日本では京都と沖縄で見られる。
電気バスAPTIS
ヨーロッパの3大鉄道車両メーカーの1つ、アルストムが開発した電気バスAPTISがコルトライクの路上に姿を見せた。機動性を確保するために4WSとしたホイールを車体の4隅に追いやったユニークなスタイルで、フラットな低床を獲得したが両運転台ではない。
バンホールがエクスキシティで路面電車の市場獲得にも意欲を示す一方で、鉄道車両メーカーからバス市場参入を試みるところが面白い。
ボルボ7900エレクトリック
比較的早くからポストディーゼルバスに取り組んできたボルボバスが、既に量産電気バスに位置づけているのが7900E、全長12m、乗車定員95人。GVW19.5トンはヨーロッパ標準のサイズ。モーター出力は180kW、最大トルクは425N・m、搭載するのはリチウムイオン電池600V、容量は150、200または250kWh。路線途中の急速充電はOppシステム(300kW)。前面パネルを開き充電ケーブルを利用する場合はCCS標準で150kW、600V DCまたは11kW、400V AC。
発売中の「バスラマ」 No.165では、Busworld 前編として、電気バスを中心にレポート。そのほかにも「全国JRバスグループ運転競技会」や「第3回 バステク in 首都圏」の様子なども特集で展開している。
ぽると出版「バスラマ No.165」
【定価】1,471円(本体1,362円+税)
【サイズ】A4判 96ページ
【書籍コード】978-4-89980-165-8
【概要】
・バス事業者訪問200(京都バス)
・沖縄で10台のBYD電気バス そろって登場
・過去最大で最後 KortrijkのBusworld
・マレーシアで走り出した日本の技術の電気バス
・目指せ日本一! 全国JRバスグループ運転競技会
・第3回 バステク in 首都圏開催
・私が見かけた発電用自動車
・日本バス協会 第66回中央技術委員会全国大会開催
・東京モーターショー2017のバス達
・短期連載 ここまで来たバスのAMT化 序編
・粒よりの最新レポート、連載ほか
ぽると出版
※本記事は、2018/02/16に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。
バスラマインターナショナル
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バスラマインターナショナル(通称バスラマ)は、1990年に創刊した、隔月刊のバス専門情報誌です。毎号、日本国内にとどまらず、世界の様々なバス関連情報を、バスに関わるすべての方々にお届けしています。
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