豪華バスの開発秘話に迫る! シェル型シートは完成までに約◯年!? シート製造メーカー「天龍工業」へインタビュー | 高速バス・夜行バスの旅行・観光メディア [バスとりっぷ]

by バス比較なび

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豪華バスの開発秘話に迫る! シェル型シートは完成までに約◯年!? シート製造メーカー「天龍工業」へインタビュー

2017年に多く登場し話題となった「豪華バス」。そのシートの多くは、70年の豊富な開発経験と高い技術を誇る天龍工業株式会社が造っています。豪華バスのシートが誕生したエピソードや苦労したポイントなど、天龍工業のお仕事についてインタビューしました。その様子をお届けします。

ざっくり、こんな会社

  • 70年以上バスのシートを造る天龍工業
  • 話題になった豪華バスのシートもここで生まれた!
  • ここでしか聞けないバスシート開発秘話!?

2017年に多く登場し話題となった「豪華バス」。そのシートの多くは、70年の豊富な開発経験と高い技術を誇る天龍工業株式会社(以下、天龍工業)が造っています。

豪華バスのシートが誕生したエピソードや苦労したポイントなど、天龍工業のお仕事についてインタビューしました。

お答えいただいたのは、常務取締役シート事業部 五藤幸洋さん、第2営業部部長 三谷忠司さん、技術部第2開発グループ グループ長課長 杉山善多佳さんです。

国内バスの98%! 日本一のバスシートメーカー天龍工業ってどんな会社

天龍工業ってどんな会社?
天龍工業ってどんな会社?

天龍工業株式会社? 名前だけではいったいどんな会社かわからないこの会社。
実は、高速バスを利用した人なら誰もが触れている、バスの座席シートを造っている日本一のメーカーなのです。


天龍工業が手がけたシート
天龍工業が手がけたシート
――まずは、天龍工業がどんな会社なのか教えていただけますか?

五藤さん 我が社「天龍工業」は、1946年創業以来70年の歴史を持つ会社です。
主な事業は乗り物用シートの開発・製造で、中でもバス用シートは売上げの90%を占めています。主な納入先はジェイ・バス様、三菱ふそうトラック・バス様です。国内バスの98%で我が社のシートが使われています。

本社工場は25年前に設立し、2009年に現在の天龍ホールディング株式会社から分社しました。

天龍ホールディング株式会社は8つのグループ会社ですが、主に天龍工業株式会社・天龍エアロコンポーネント株式会社・天龍コンポジット株式会社からなります。

●天龍エアロコンポーネント株式会社
…航空関連の事業として、プランニングから組み立てまで行ない、航空機の隔壁からJALのファーストクラスのシートなども造っています。

●天龍コンポジット株式会社
…少し専門的ですがFRP(fiberglass reinforced plastics)繊維強化プラスチックで、鉄道車両(新幹線N700系)のパネルや天井、洗面所ユニットなどの製造を手がけています。

――ということは高速バスのシートだけでなく、広く日本の輸送全てに関わっている会社ということですね。


話題になった豪華バスのシートもここで生まれた!

技術部第2開発グループ グループ長課長 杉山善多佳さん
技術部第2開発グループ グループ長課長 杉山善多佳さん
――天龍工業で造られている代表的なバスシートを紹介していただけますか?

杉山さん 最近話題になった車両を紹介すると、Willerの「ラクシア」「リラックス」「スターファイター」や、JRバス「グランドリーム号」、両備バス・中国バス・関東バスが共同運行する「ドリームスリーパー」、「四季島・名鉄バス(プレミアムワイド)」などがあります。

定期路線便ではありませんが、神姫バス「ゆいプリマ」のシートも当社で造りました。

バスファンが憧れるドリームスリーパー号のシート
バスファンが憧れるドリームスリーパー号のシート
――高速バスファンなら一度は乗って見たいと憧れる、豪華バスのシートは天龍工業製だったのですね。

杉山さん 「ラクシア」「ドリームスリーパー」といった豪華バスは、当社では特別仕様車と呼んでいます。これらをはじめ一般的な高速バスや路線バス、観光バスなども、すべてここ富山工場で生産しています。

――ここはまるでバスシートが誕生する聖地のようですね。

完成までに何度も試行錯誤したシートも! 開発秘話

シートの開発はまず安全性です
シートの開発はまず安全性です
――シート開発の難しい点はどんなところですか?

杉山さん 既存の車両と違い設計を1からスタートするため、各種評価試験を行なうことです。しかし、評価試験を行なうことで快適性はもちろん、安全性も得ることができています。

天龍工業では岐阜県に技術センターを設け、そこで衝突試験などを繰り返し行ない、新しいバスに見合う安全性の高いシートの開発を目指しています。
シートの模様が座席毎に異なるゆいプリマ
シートの模様が座席毎に異なるゆいプリマ
――これまでに製造されたシートの開発秘話を教えていただけますか?

杉山さん 例えば、社外デザイナーと共同で開発を行なうときには、シートの細部まで指示されます。生地の色分けや幅、縫製ラインの間隔などです。

そのほかWillerの「コクーン」「リボーン」に採用されているシートは、シート以外のシェルも開発することとなり試行錯誤した数が多かったため、思いもひとしおです。


2018年以降も豪華バスが登場する!?

――70年以上バスシートの開発に携わってきた天龍工業ですが、近年ニーズになにか変化はありましたか?

三谷さん 高度成長期は、一度にたくさんの人を運ぶ時代でした。

その後は、広くて大きなシートを求められるようになり、現在は高級感があり様々なサービス(快適なリクライニングやコンセントなど)、必要なものが揃っているシートを求められる傾向にあります。

運賃の安さが特徴の高速バスですが、高級志向に変化してきているといえますね。

時代は高級志向に
時代は高級志向に
いまではスタンダードになったACコンセント設備
いまではスタンダードになったACコンセント設備


――天龍工業として1番嬉しいのはどんな事でしょうか?

三谷さん 私たちが造ったシートに乗車してもらい、バスの車内で快適な時間を過ごしてもらうことです。そんなユーザー様の声はバス会社(発注先)を通じて、次のシートの開発に活かされていきます。

常にその時代に求められるシートを造り続けることが、天龍工業の使命であり喜びですね。

より安全で快適なシートを求める天龍工業
より安全で快適なシートを求める天龍工業

――最後にバスとりっぷの読者にサプライズのお話はありませんか?

三谷さん あまり大きな声では言えませんが、豪華バスのニーズはまだまだあります。これから登場する新型バスとシートにもぜひ期待してください。



――2018年以降も、私たちが驚くようなバスが登場するかもしれない、と言うことですね。今日は長い時間ありがとうございました。


まとめ

バスシートという夢をつくる会社
バスシートという夢をつくる会社

安全で快適なシート造りのためには、綿密な打合せと試験に想像以上の時間を費やすのだと知りました。

天龍工業が造る夢のあるバスシートは、これからも私たちを驚かせてくれそうです。


※本記事は、2018/01/28に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

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    この記事を書いたライター

    出雲義和

    ライター 50代 / 男性

    出版関連の仕事を25年間勤務、現在は独立。若い頃から大の旅行好き、徒歩・自転車・バイク・電車・バスなどあらゆる交通機関を使って全47都道府県を制覇。最近は海外トレッキングに出かけたりもする、「アウトドアなおじさん」。数年前より雑誌の文具手帳特集で紹介されるようになり、「文具のおじさん」でもある。

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