最新バス車両に、ハイテクシートや大型バス洗車機…etc. 最新技術が盛りだくさんの「第3回 バステクin首都圏」レポート!
2017年11月10日に、千葉県の幕張メッセ屋外展示場で開催された「第3回 バステクin首都圏」。
最新バス車両のほか、関連産業のさまざまな最新商品が展示された本イベントの様子をレポートします。
最新バスが勢揃い! 展示ブースにも最新技術がいっぱい!!
バス業界の専門誌「バスラマ」の出版社・ぽると出版が主催している「バステクin首都圏」。
一昨年、昨年に続き3回目の開催となる今回は28社が出展し、最新の車体や技術に関する多くの展示が見られました。
最新シートや運賃システム、衝突防止補助装置といった内容は、やや業界関係者や乗り物マニア向きの内容。
しかし、普段じっくり見られない運転席やエンジンなどが見学できるチャンスとあって、会場には背広姿の方々に混じって親子連れの一般客の姿もありました。
会場に到着したのは正午ごろ。
車体展示スペースには、青空の下に最新車種がずら〜り!
各社の展示ブースでは、バス会社の名刺を首にぶら下げたプロの運転士さんや技術者さんたちが最新技術に目を光らせ、また出展者の話に耳を傾けていました。
そんな真剣さ漂う現場でありながら、カメラ片手の私に対しても、どのブースも「ぜひ見てって下さい!」とウェルカムモード。
お言葉に甘えていろいろ拝見&体験させていただきました。
マナー向上や運転訓練のための最新テクノロジーが続々
数々のブースの中から一部をピックアップしてご紹介します。
シートベルト装着がひと目で確認できる、LEDランプ付きシート
クラブツーリズムなどに製品を提供しているマジカルテクニカでは、シートベルト装着率を高める機能を搭載した「MAGICAL S3」というシートを展示されていました。
上質感漂う本革シートは、座り心地もさることながら安全面もハイクラス。
特筆すべきは、通路側シートの肩に付いているグリップ部分で、ここには青と赤の二色のLEDランプが埋め込まれています。
これは、シートベルトを装着していないとランプが点灯し運転手に一目で分かるという仕組み。
「飛行機ならCAさんが各シートを見て回りますが、運転士1人のバスでそれはなかなか難しいですからね」とメーカー担当者。
LEDの光は遠くからもくっきり見えるので、運転席から最後列までちゃんと確認できるとのこと。
非常時の運転も訓練できるシミュレータ
一方、ひときわ人だかりができていたのは、バスの改造・修理や電子教材・機器の開発などを行う、東急テクノシステムのブース。
こちらでは、バス運転訓練シミュレータの体験会を開催していました。
正面と左右に計3つのモニターを配し、コックピットも実物を再現した本格仕様のシミュレータ。
実際の運転ルートをCGで映し出し、天候や時間帯などの調節も可能とのこと。
新人運転手の練習になることはもちろん、歩行者の飛び出しや並走している自転車への対応など、実物の乗車訓練では再現が難しい非常時の訓練もできるようになっています。
観光客の増加を見据えたクレジットカード対応機器
そのほか、券売機などバス関連設備の製造・販売を行う一水製作所では、バス車内に搭載できるクレジットカード対応型の発券機を紹介。
グローバルブランドのクレカに対応する車内用券売機は日本で初とのこと。
サインレス決済のできるカードなら、券売機にカードをスライドするだけで支払いが完了します。
主にインバウンド用に開発された機器とのことで、外国人観光客の多い成田市内では既に実用化されているそうです。
10秒で炎が鎮火! もしものエンジン火災に備えるハイテク消化システム
いくつかの実演や見学ツアーが用意されているのもバステクのお楽しみ。
その中から、私はニチボウの「エンジンルーム自動消火の実演」とジェイアール東日本コンサルタンツの「超節水型バス用洗車機見学ツアー」に参加しました。
まずは、受付の方も今回のイチオシと教えてくれた「エンジンルーム自動消火の実演」。
こちらでは、不慮で起きたエンジンルームの火災を電源要らずで自動消火してくれるという「ウォーターミスト消火システム」のデモ実演を開催。
エンジンルームを模した箱の中に火を付けると、炎の温度は瞬く間に500℃を突破。
そこに水をベースにして作られた消化剤をかけると、白い煙を上げつつ10秒もしないうちに炎が鎮火しました。
通常の水噴射に比べ粒子の大きさが10分の1という、50ミクロンのウォーターミストをふりかけることで、わずか1リットルの水から1,700リットル分の水蒸気を発生させているそう。
それによって広い面積で冷却効果を出せるのが起こせるのが、早い消火を可能にしている秘訣とのこと。
強力で省エネ! 大迫力のバス洗浄機見学
「超節水型バス用洗車機見学ツアー」では、会場近くの京成バス新習志野高速営業所までバスで移動。
ここで実用されている超節水型バス専用洗車機「BIG WASHERⅢ」を見学しました。
自家用車の洗車機はガソリンスタンドなどにありますが、バスの洗車機となるとやはりとてつもなく巨大な設備。そんな巨大な機械がバスの周りを前後に移動していきます。
この洗車機の特徴は、繊細なミストと激しい気流を同時に吹き付ける「アラッシュ」という洗浄技術で、細部まで汚れを強力に落とすことができること。
さらに大型車両洗車機で日本初のブロー機能があり、洗浄した表面の水滴を吹き飛ばしてくれるそうです。
「BIG WASHERⅢ」は同社の従来機に比べ66%の節水を実現していることに加え、本来は強力な薬品を使って落とさなければならない鱗状痕(自家用車でも水滴の跡にできる白い輪状の汚れ)がブロー機能によって発生しにくいため、大幅なコスト減にもつながるそうです。
その他にもさまざまな展示が行われており、なかにはオリジナルグッズをくれるブースもあって大満足。
そして驚きの連続のまま、やや日も落ちてきた午後4時にイベントは終了。
全車両&全ブースはしっかり周れたものの、参加できなかったツアーもあったので、もう少し早く来るべきだった……とやや後悔。
そのくらい見応えのある大充実のイベントでした!
※取材協力/ぽると出版
※本記事は、2017/11/14に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。
鈴木翔
編集者兼ライター 30代 / 男性
面白いことが大好きな編集者兼ライター。仕事やプライベートで世界各地を旅しているのでバスは常に欠かせない交通手段。これまで最高だったバス旅は、ペルーのチチカカ湖周辺からボリビアのラパスまでの「インカの聖地ルート」。最悪だったのはラオス北部の村から世界遺産のルアンパパーンまでの「12時間耐久・山岳酷道ルート」。最近、中野区から勝どきに引っ越して、なんちゃってセレブ生活を満喫中。
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