深夜のドア開閉なしの3列独立シートで約11時間ぐっすり快眠! 東京~秋田を走る秋北バス「ジュピター号」乗車レポート | 高速バス・夜行バス・バスツアーの旅行・観光メディア [バスとりっぷ]

by バス比較なび

乗車体験記

深夜のドア開閉なしの3列独立シートで約11時間ぐっすり快眠! 東京~秋田を走る秋北バス「ジュピター号」乗車レポート

東京と秋田県北部を結ぶ秋北バスの夜行バス「ジュピター号」。約11時間の長旅ですが、車内には安眠のための工夫が凝らされています。最大の特徴は、SA(サービスエリア)での下車休憩をあえて行なわない運行スタイル。徹底した遮光設備など、関東~秋田を快適に移動するための乗車レポートをお届けします。


ざっくり、こんな移動

  • トイレ付きバスで乗客の開放休憩なしのため、睡眠の邪魔をされない
  • 窓のカーテンと運転席との仕切りで完璧な遮光
  • 暗視カメラ作動で防犯対策もばっちり





東京と秋田北部を結ぶ「ジュピター号」


池袋~能代の約700kmを走行するジュピター号
池袋~能代の約700kmを走行するジュピター号

池袋・大宮~秋田県北部(大館・能代)をダイレクトに結ぶ高速バス「ジュピター号」。秋北バスが国際興業バスとの共同運行により、1989年(平成元年)から運行を開始した歴史あるバス路線です。

新幹線を利用して関東~秋田県北部を移動するには、盛岡駅や秋田駅での乗り換えが必要ですが、ジュピター号なら乗り換えなしで目的地まで直行! また、運賃も新幹線の約半分と、コストパフォーマンスにも優れています。

乗車時間は約11時間と長めですが、快眠のための設備やサービスに特化しているため、「目が覚めたら目的地」という無駄のない移動が可能です。移動時間がそのまま睡眠時間になるため、タイパ(タイムパフォーマンス)の面でも非常に理にかなった選択肢といえるでしょう。

今回は、秋北バスの車両について紹介します。




「安眠」に特化した秋北バスの車内環境


ナンバープレートにはかわいい秋田犬がいます
ナンバープレートにはかわいい秋田犬がいます

このバスの最大の特徴は、なんといっても「寝るための工夫」が徹底されていること! 気になる車内設備とサービスについて、詳しくレポートします。



3列独立シート


車内は3列独立シート
車内は3列独立シート

シートは、隣が気にならない「3列独立タイプ」。乗車口側からA・B・C席と並んでいます。縦は10列ありますが、中央にトイレがあるため「4C」と「5C」の座席はありません。最後列だけは4列並んでいますが、全部で29席のゆったりした構成です。

入口に座席番号が書いてあります
入口に座席番号が書いてあります

移動しやすいように真ん中のB列はなるべく空けるようにしたり、最後列も繁忙期以外はあまり使わないようにしたりしているのだとか。おかげで、車内はとっても余裕のある空間になっています。



設備とサービス


快適に座れる工夫がされているシート
快適に座れる工夫がされているシート

各シートには、フットレスト、レッグレスト、そしてヘッドレスト付き! フットレストは手動ですが、レッグレストはシート横のスイッチで楽に操作できます。

リクライニングも、かなり深めに倒れます。後ろに人がいなければ、ぐぐっと倒してゆったり体を休めることができそうです。スイッチはアームレスト下にあるので、手元で簡単に操作できます。

通路側席のリクライニングスイッチは窓側にあります
通路側席のリクライニングスイッチは窓側にあります

163cmの筆者が座るとこんな感じ
163cmの筆者が座るとこんな感じ

シートの前には、フックやドリンクホルダー、網ポケットが。ポケットの中には、乗車場所や予定時間が書かれた丁寧な案内が入っていました。フリーWi-Fiの接続方法の説明書も! 夜行バスなので、あまりWi-Fiを利用する機会はありませんが、使えると思うと、それだけで安心しますよね。

さらに、大判のブランケットに不織布の使い捨てスリッパまで用意されていました。冬場はブーツを履いていることも多いので、靴を脱いでリラックスできるのは本当に助かります。

網ポケットの左下にはスリッパ掛けも完備
網ポケットの左下にはスリッパ掛けも完備
網ポケットには時刻表やWi-Fi利用手順
網ポケットには時刻表やWi-Fi利用手順

ブランケットは嬉しい大判サイズ
ブランケットは嬉しい大判サイズ
清潔な使い捨てスリッパ
清潔な使い捨てスリッパ

アームレストは上に跳ね上がるので、乗り降りがとってもスムーズ。中には折り畳み式の小さなテーブルも隠れています。

収納式のテーブル
収納式のテーブル

シート上部には、読書灯と空調の吹き出し口。真ん中のシートに座る方の読書灯は、前のシートの上部に付いていました。

通路側にはそれぞれカーテンが付いているので、閉めてしまえばプライベート感たっぷり。ちなみに、背もたれの後ろにまとまっているカーテンが自分の分です。前から引こうとしてもレールが途切れているので、間違えて前の人のカーテンを引いちゃう…なんて心配もありません。

読書灯と空調
読書灯と空調
通路側にはカーテン
通路側にはカーテン

窓側のカーテンは、光をしっかり遮る遮光タイプ。しかも、カーテンを留める金具にも工夫があって、合わせ目を内側に潜り込ませることで「めくれにくく」なっているんです。「ここは、こだわった工夫ポイントなんです」と、乗務員さんも笑顔で教えてくれました。

窓側のカーテンはしっかり閉じています
窓側のカーテンはしっかり閉じています

シート上の荷物置きスペースも高さに余裕があって、お土産やカバンを置いてもスッキリ収まりました。

頭上の荷物棚
頭上の荷物棚

車内中央の階段を降りた先には、水洗トイレが設置されています。座席エリアより一段低い位置にあるため、音が周囲に響きにくいのも嬉しい配慮。

そんなトイレの洗面所で、冬の秋田らしい光景に出会いました。厳しい寒さによる凍結を防ぐため、水道の代わりに清潔なおしぼりが用意されていたのです。

さらに驚いたのはサービスコーナーの充実ぶり。水やお湯だけでなくお茶のパックまで備えられており、まさに至れり尽くせりのホスピタリティ!

車内中央にあるトイレ
車内中央にあるトイレ
階段の途中にお水・お湯・お茶
階段の途中にお水・お湯・お茶

そして、今回私が一番驚いたのが「暗視カメラ」が作動していること。こちらは車内でアナウンスがありました。盗難や迷惑行為もしっかり記録されるので、一人旅でも安心して深い眠りにつくことができます。これは、本当に心強いサービスですね!

秋北バス「ジュピター号」

※特にリンク先ページの記載のない場合、リンクからは高速バス比較サイト「バス比較なび」にて、詳しい停留所と料金が確認できます
※共同運行会社のバス便も含みます


池袋・大宮⇒花輪・大館・能代
能代・大館・花輪⇒大宮・池袋




池袋から能代まで! うとうと乗車レポート


特別に「国際興業バス 池袋営業所」から乗車
特別に「国際興業バス 池袋営業所」から乗車

それでは、実際に乗車した様子を詳しくレポートします。

通常、出発は池袋駅西口の7番乗り場から22:00ちょうどに能代へ向けて出発します。今回は車内撮影のため、特別に要町にある「国際興業バス 池袋営業所」から乗車させていただきました。

スマホで予約チケットを見せたら、スーツケースを車両下部のトランクルームへ預け、引き換えの番号札を受け取ります。この日は利用者が多いとのことで、バス2台体制での運行でした。

荷物の引換券
荷物の引換券

池袋駅では多くの乗客が乗り込んできました。車内のカーテンが閉まっているので外の様子は伺えませんでしたが、トランクに荷物を預けてからスムーズに乗車される方が多い印象です。

今回は営業所からの乗車でしたが、池袋駅から乗るならぜひ活用したいのが、池袋西口公園の南側、東武アネックスビル3階にある国際興業バス 高速バス待合所です。

コンセント完備なのはもちろん、パウダールーム付きの女性専用スペースまであるので、夜遅い出発待ちの時間も安心。乗車前にメイクを落として、さっぱりとした状態でバスに乗り込めるのは女性にとって嬉しいですね。

国際興業バス 高速バス待合所

東京都豊島区西池袋1丁目10-10 東武アネックスビル 3階中央 Google Map
20:00~24:10(年始を除く)
Webサイト

バスは定刻通りに池袋駅西口を出発。自席のカーテンを閉めれば、そこはもう半個室のようなプライベート空間です。

カーテンを閉めると半個室のようになります
カーテンを閉めると半個室のようになります

外の景色が見えない安心感からか、すぐにうとうと…。ふと気づくとバスが停車しており、最初(にして最後)の乗車ポイント、大宮駅東口に到着しました。

ふと、窓のカーテンの下からスマホのカメラで外の様子を少しだけ覗いてみました(池袋ではこの方法に気づかなかった)。こちらからもたくさんの方が乗車されたようですが、車内はすでに各席のカーテンが閉まり、静かな時間が流れています。時計を見ると22:40。45分の出発を静かに待ちます。

大宮駅東口乗り場
大宮駅東口乗り場

動き出してからそっとカーテンを開け車内を見渡すと、通路側のカーテンはすべて閉じられていました。真ん中のB列が空席になっていたおかげで、これなら夜中にトイレへ行く際も気兼ねなく移動できそうです。

ここからは、秋田へ向かって一路北上していきます。
大宮を出発するとすぐに消灯となり、車内は心地よい暗闇に包まれました。運転席との間もしっかりとカーテンで仕切られているため、前方からの光が漏れてくることもありません。

消灯後の真っ暗な車内
消灯後の真っ暗な車内

そして、このバス最大の強みが「乗客向けの開放休憩がない」こと。乗務員さんは2名体制で、途中のSAで合計4回の交代と車両点検を行ないますが、乗客は外に出ることはできません。

つまり、ドアが開いて冷気が入り込んだり、アナウンスや車内灯で眠りを妨げられたりすることがないんです。これこそが、目的地まで10時間以上の「連続した深い睡眠」を可能にする秘密なんですね。

もちろん車内にトイレが完備されていますし、通路の動線もしっかり確保されているので、夜中に目が覚めても安心です。

この日の乗務員さんの休憩・点検スケジュールは、0:00大谷PA(栃木県宇都宮市)、1:20安達太良SA(福島県本宮市)、3:17長者原SA(宮城県大崎市)、5:05岩手山SA(岩手県八幡平市)となっていました。

大谷PA(栃木県宇都宮市)
大谷PA(栃木県宇都宮市)
安達太良SA(福島県本宮市)
安達太良SA(福島県本宮市)

翌朝、5:57に鹿角(かづの)へ到着。予定より約20分も早い到着です。その後、7:00にいとく大館ショッピングセンター北口、8:00に二ツ井、そして目的地の能代バスステーションには8:05に到着。最終的に予定より約30分も早く送り届けてくれました。

ちょうど今年3回目の寒波が襲来中で、列車や飛行機に運休や遅延が出ている中、豪雪の内陸部を通って、しっかり目的地まで届けてくれたジュピター号に感動!

鹿角花輪駅前
鹿角花輪駅前
能代バスステーション
能代バスステーション




朝まで途切れない「静寂」が最高の贅沢


豪雪の秋田へ
豪雪の秋田へ

秋北バスのジュピター号に乗って実感したのは、単なる移動手段を超えた「快眠への徹底したこだわり」です。
真ん中のシートを空けてゆとりを持たせる座席配置や、光を完璧に遮断するカーテン、そして何より、深夜のドア開閉をなくして室温と静寂を守る運行スタイル。これらすべてが、長距離移動の疲れを最小限にしてくれます。

「夜行バスは眠れないから苦手」という方にこそ、ぜひ一度体験してほしい一歩進んだバス旅。目が覚めた瞬間に清らかな空気が迎えてくれる、あのすがすがしい感覚をぜひ味わってみてください。

秋北バス「ジュピター号」

※特にリンク先ページの記載のない場合、リンクからは高速バス比較サイト「バス比較なび」にて、詳しい停留所と料金が確認できます
※共同運行会社のバス便も含みます


池袋・大宮⇒花輪・大館・能代
能代・大館・花輪⇒大宮・池袋

※取材協力:秋北バス


※本記事は、2026/03/06に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

この記事を書いたライター

さとちん

フリーライター・ブロガー 女性

出産後、子育て情報誌の編集部に9年勤め、退職後はフリーライターとして旅とグルメのジャンルを中心に取材とライティングに励む。子育てが落ち着いてから一人旅に目覚め、時間を見つけては国内各地を旅行。2020年47都道府県制覇しました。高速バスや電車代がお得になるチケット情報に目がなく、それらを活用しながら効率よく旅することを得意としています。 温泉ソムリエ、サウナ・スパ健康アドバイザー、銭湯検定4級

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