日本初の寝台夜行バスが登場! フルフラット型シート「ソメイユプロフォン」でベッドで寝ながらラクラク移動 | 高速バス・夜行バス・バスツアーの旅行・観光メディア [バスとりっぷ]

by バス比較なび

乗車体験記

日本初の寝台夜行バスが登場! フルフラット型シート「ソメイユプロフォン」でベッドで寝ながらラクラク移動

日本で初めての“寝台夜行バス”、フルフラット型シート「ソメイユプロフォン」がデビュー! まるで走るカプセルホテルのように、ベッドに横になってバス移動できるのです。今回はプレス発表会に参加し、「揺れない?」「値段は?」「どこからどこまでを走る?」「もう予約できる?」などなど伺ってきました!


日本初! フルフラット型シート搭載の高速バス(寝台バス)が登場!

高速バス業界に新情報! なんとこのたび、日本で初めての高速バス用フルフラット型シートが爆誕しました! フルフラット型シートとはつまり、座席がベッドになるということ。その名は「ソメイユプロフォン」、フランス語で「熟睡」「深い眠り」の意味です。

ソメイユプロフォンはその名の通り、眠ることに特化したバスシート。その特徴は大きく2つ、バスで完全フルフラットのシートを実現させたことと、上下2段式であることです。

横になって眠れるバスシート、ソメイユプロフォン!
横になって眠れるバスシート、ソメイユプロフォン!

ソメイユプロフォンのフルフラット型シートは、すべて2段ベッド形式。頭の上にはヘッドガード、足元にはフットガードがあり、腰部分をシートベルトで固定します。サイドには、サイドガードがついて転倒を防止。上段ベッドには、足元のハシゴから乗降します。

フルフラット型シートの装備図解
フルフラット型シートの装備図解

車内レイアウトは下記の通り。1台のバスに、横3列×縦4席の形で2段ベッドが12ユニット入るため、最大で24席のベッド(形はベッドですが、バス車内では座席となるので1席2席と数えます)が設置されます。

車内レイアウト。上が一般的な3列シート車両、下がソメイユプロフォン
車内レイアウト。上が一般的な3列シート車両、下がソメイユプロフォン

実際の車内の様子はこちら。通路幅は約30cmです。右側の写真は、参考として身長165cmほどの男性に通路に入っていただきました。ちょっと狭めではありますが、冬用コートを着用した男性でも通行OKでしたよ。

車内を前から撮影した様子。ベッドがずらり
車内を前から撮影した様子。ベッドがずらり
大きさや間隔の比較に、男性に立っていただきました
大きさや間隔の比較に、男性に立っていただきました

「フルフラット型シート」との呼び方は、シートが着座する椅子の形からフルフラットのベッドの形へと変形するため。ベッドの形に変形はしても、あくまで座席という換算です。ただし現時点の予定では、乗客の乗車中に座席型に変形することはなく、乗車時から降車時までずっとベッドの形のままで走行するとのこと。

フルフラット状態(ベッド型)の個別イメージ
フルフラット状態(ベッド型)の個別イメージ
着座状態(椅子型)の個別イメージ
着座状態(椅子型)の個別イメージ

ちなみに、椅子からベッドへとどんな風に変形するのか、気になりませんか? こちら、図解動画を見せていただきました! 変形は大人2人がかりの作業となるそうです。

1.ロックを解除し、パーツをとる
1.ロックを解除し、パーツをとる
2.背もたれを変形、座面を移動させる
2.背もたれを変形、座面を移動させる
3.補助パーツを設置
3.補助パーツを設置
4.完成!
4.完成!


フルフラット型シート、広さや眠りやすさは?

車内で横になって眠るとなると、寝心地・乗り心地が重要ですよね! まずはモデルさんの姿でご覧ください。フルフラット状態の座席は、シート幅(横幅)48cm、×長さ(縦幅)180cm。一般的な体格の方であれば、大きくは動けませんが、寝返りは打てるというくらいです。

ベッドの長さに関しては、試乗では180cm以上の方も乗車したとのこと。「膝を曲げて横向きに寝れば大丈夫」だったそうですよ。

12_寝るイメージ修正後.jpg
モデルさんが実際に横になった感じ(下段)
シートの横幅はこのくらい
シートの横幅はこのくらい
足元イメージ。女性なら十分余裕がある
足元イメージ。160cm前後の方の場合、十分余裕がある

座席上部の空間は、下段で51cm、上段で51~73cmです。上下で異なるのは、座席位置によって床や天井の高さが変わるため。上段は、窓際列の頭上は51cmですが、中央列は前方に行くほど頭上空間が広くなります。

上段中央列の最前席は、身長152cmの私は座っても頭をぶつけませんでした! とは言え、上段の窓際席や下段は身を屈めて出入りする必要があります。

ベッドに出入りする時は身をかがめて
ベッドに出入りする時は身をかがめて
「頭上注意」の注意書きがある
「頭上注意」の注意書きがある

ベッドの向きは、進行方向に足が向く形で固定。進行方向後方には枕がついています。枕は落ちないように固定されていて、上下位置の微調整のみ可能。

枕とシートの硬さは、ややしっかりめ。走行中のバス車内でもしっかり体を支えてくれそうです。

枕がこちら。進行方向に向かって後方が頭の位置
枕がこちら。進行方向に向かって後方が頭の位置
枕は固定、上下に少し可動域があるので位置の微調整OK
枕は固定、上下に少し可動域があるので位置の微調整OK

付属予定の寝具は、現時点ではブランケットのみ。ただし試乗モニターの意見によって変更・改良される可能性もあるそうです。ブランケットの大きさは、85×120cm。肩までかけたい派の人には小さめながら、車中で扱うにはほどよい大きさです。

ブランケットは「高知駅前観光」の刺繍入り
ブランケットは「高知駅前観光」の刺繍入り
実際に体にかけると、この通り
実際に体にかけると、この通り

寝具以外のアメニティは、バス前方に、歯ブラシ・スリッパ・おしぼり・耳栓・アイマスクが設置される予定。(基本使い捨て、アイマスクのみ要返却)


お値段設定はどのくらい?

さて、気になるお値段は……。なんと、東京~高知で14,000円(予定)! なお現在、東京~高知を移動する3列シート高速夜行バスの値段相場は約10,000円です。私は「現相場の2倍弱くらいになるのでは」と勝手に予想していたため、安くて驚きました!

値段は今後の調整で多少の変更があるかもしれませんが、高知駅前観光の発表では「現在の値段に、数千円を足すとフルフラット型シートに乗れる、という感覚で考えています」とのこと。あまり高額にすることは考えていないそうです。新幹線や飛行機よりもだんぜん安価に、フルフラットで眠りながら移動できるようになるのですね。

ただしこれは、高知駅前観光による東京~高知間の路線の話。今後、モニター期間のあとは他社へのフルフラット型シート販売も開始となるそうなので、他社のバスはまた変わってくるかもしれません。

また、他社への販売はユニット単位とのこと。例えば「3列シート座席のうち、1列だけがフルフラット型シート座席」なんて高速バスが出てくる可能性もありそうですよ。

3月4日からモニター運行! モニター価格はなんと7,300円

ソメイユプロフォン搭載バスは、3月4日(火)からモニター運行開始予約受付は2月7日(金)12:00から。週に1回1往復、東京~高知を夜行で走ります。

驚くのがその乗車価格。モニター運行のため、価格は7,300円なのです。モニターとはいえ、驚きの安さ! 運行日はソメイユプロフォン公式サイトで発表され、予約方法はインターネット予約(発車オーライネット)のみとなります。

モニター乗車の走行区間が東京~高知のみなのは、高知駅前観光には現在、東京~高知を走る4列シート夜行高速バス「スマイルライナー」が運行しているため。同じ時刻・同じルートで週に1本「ソメイユプロフォン」のモニター乗車を追加する形となるのです。

先方バスイメージ.jpg

現在の予定では、モニター乗車を5カ月間行ない、その間の意見を元に改良・改善を重ねるとのこと。実際の走行は、2025年秋からを予定しているそうです。(ただし改良内容によって変動する可能性があります)


「ソメイユプロフォン」プレス発表会の様子は……

モニター乗車受付開始に先駆けて、2025年1月30日には、ソメイユプロフォンのプレス発表会がありましたよ!

ソメイユプロフォンは2024年のバステクフォーラムでもお披露目されていましたが、その後2024年11月に国土交通省から発表された「フルフラット座席を備える高速バスの安全性に関するガイドライン」に則って、さらに設備が追加されました。なので、完全版は今回が初お目見え! 発表には、多くのメディアが集まりました。

ソメイユプロフォン、デビューの瞬間!
ソメイユプロフォン、デビューの瞬間!

フルフラットシートの着想は9年前。高知駅前観光の会長(当時は社長)が思いつき、現社長へと思いが引き継がれ、設計にサーマル工房、製造に垣内を迎えて実現に至ったそうです。実は、この3社はすべて高知の会社。ソメイユプロフォンはメイドイン高知のバスシートなのです。

発表会では、各会社の社長や発案者たる高知駅前観光会長も登壇。フルフラット型シートの開発秘話や、「推し活ブームやホテル代高騰により、今までと違う高速バスユーザーが増えている。夜行バスはキツイとのイメージを変革させられれば、高速バスユーザーの掘り起こしになるのでは」との展望などを示しました。

プレス発表会では、さまざまな開発秘話も
プレス発表会では、さまざまな開発秘話も

なおモニター乗車はこれからですが、関係者や関係者家族による試乗は何度か行っているとのこと。「実際の走行中に寝てみた感想はどうでしたか?」と、何人もの方にお話を伺ってみました。

すると「横になって足を伸ばすと、こんなにラクなのかと驚いた」「座って寝るのとはやはり体の疲れ具合が全然違う」などなど。なかには「ソメイユプロフォンで東京~高知を往復して、中日も忙しくしていましたが、自分は全然疲れませんでしたね。帰ってきたその足で元気に出社できましたよ」という人も!

多かったのが、「横になったらもう数分で眠れた」という意見。気になる走行中の揺れに関しても「思った以上になめらかでしずか」との意見ばかりでした。これは期待できそうです!

これまでの高速バスの常識を覆す、寝台バス・ソメイユプロフォン。数年先には、夜行高速バスでフルフラットで寝ながら移動するのが当たり前になっているかもしれませんね!

ソメイユプロフォンのメインロゴ
ソメイユプロフォンのメインロゴ
スマイルライナーのバス便

※4列シート車両の便を含みます
※フラットシートの販売・予約受付は2月7日(金)~

高知・徳島⇒東京・TDLのバス便「バス比較なび」
東京・TDL⇒高知・徳島のバス便「バス比較なび」

高知駅前観光 ソメイユプロフォン公式ページ

※取材協力:高知駅前観光


※本記事は、2025/02/03に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

この記事を書いたライター

陽月よつか

フリーライター、星空準案内人 女性

東京出身・沖縄経由・奈良在住のフリーライター。体力がなく計画を立てるのも苦手なので、ラクにのんびりの気まま旅が大好き。女性一人旅を主な目線に、知っておくと便利な方法やお得な情報、おすすめ旅スポットなどをご紹介します。書籍「全国 大人になっても行きたいわたしの絵本めぐり」(GB出版)、「はっけん!鉄道NIPPON 地図と路線で知る47都道府県」(ヴィトゲン社/PHP研究所・画像提供)

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