出雲~東京を結ぶ中国ジェイアールバスの2階建て車両「スサノオ号」乗車レポート! 車いすユーザーも利用しやすい | 高速バス・夜行バス・バスツアーの旅行・観光メディア [バスとりっぷ]

by バス比較なび

乗車体験記

出雲~東京を結ぶ中国ジェイアールバスの2階建て車両「スサノオ号」乗車レポート! 車いすユーザーも利用しやすい

中国ジェイアールバスが運行する「スサノオ号」。2階建て車両で、トイレやUSBポートなど高速バスにあると嬉しい設備に加え、バリアフリーにも対応しています。今回は実際に東京~出雲大社間を乗車! 車内の様子や休憩場所、停車地などをレポートします。

スサノオ号
スサノオ号


ざっくり、こんな移動

  • スサノオ号は東京~出雲間を結ぶ2階建て夜行バス
  • 2階のクレイドルシートが安眠をサポート
  • 休憩2回、運転士3人交代の安心体制


東京~出雲を結ぶ「スサノオ号」ってどんなバス? 

東京~出雲間を結ぶスサノオ号は、中国ジェイアールバスが運行する夜行バスです。2階建てのバスで、1階がリーズナブルな4列シート、2階が3列のクレイドルシートという編成になっています。

ちなみに車両は、エンジンがスウェーデンのスカニア社製、ボディはベルギーのバンホール社製という外国車で、運転士さんたちの間でも運転しやすいと評判の車両なんだとか。

また「バリアフリー対応」が進んだ車両でもあって、路線バスのように折り畳み式スロープ板を置くことで、車いすでの乗車が可能となっており、入口のすぐそばには車いすが置けるスペースも設けてあります。

スサノオ号のバス便


スサノオ号の1階席は? どんなシート?

スサノオ号の車内を見ていきましょう。1階の4列シートは10席と少なめの座席数で、シートの設備などは以下の通り。

1階の様子
1階の様子
シートはこれくらい(倒そうと思えば)倒せます
シートはこれくらい(倒そうと思えば)倒せます
シートピッチも割とゆったり
シートピッチも割とゆったり
アームレストは上げ下げができて便利です
アームレストは上げ下げができて便利です

ヘッドレスト部分は固定ですがフィット感がありました
ヘッドレスト部分は固定ですがフィット感がありました

電源はコンセントではなくUSB形式で、窓側席の方にまとめて2つある形です。充電時、隣の方とちょっとした交流が生まれました。

ふたを開けて差し込みます
ふたを開けて差し込みます

トイレは1階(乗車口入ってすぐ、階段のそば)にあって、コンパクトながら使い勝手のいいものでした。また、車内にはWi-Fiが完備されており、登録して使用できます。

トイレです
トイレです
内側のドアに荷物をかけるフックが
内側のドアに荷物をかけるフックが
入ってすぐに消毒液あり
入ってすぐに消毒液あり
Wi-Fiの説明書は網ポケットの中に
Wi-Fiの説明書は網ポケットの中に


スサノオ号の2階席は? どんなシート?

こちらが2階です。29席あって、すべての席がカーテンで仕切れる3列独立シートとなっています。カーテンは上部がネット状で圧迫感が少なく、B席とC席の間にメインの通路がある配置でした。

2階の様子
2階の様子

クレイドルシートのクレイドルは「ゆりかご」の意味で、レッグレストもフットレストも一体となって動くため、すっぽりと包まれるような心地よさです。

写真では倒れているように感じないのですが、座ってみるとちょうどよい角度
写真では倒れているように感じないのですが、座ってみるとちょうどよい角度
ゆりかごを知らない人間が座ると「ゆりかごってこんな感じなの!」という興奮が……
ゆりかごを知らない人間が座ると「ゆりかごってこんな感じなの!」という興奮が……

ドリンクホルダーはひじ掛けの先に、電源はUSB形式でひじ掛けの下にありました。

ドリンクホルダーと電源
ドリンクホルダーと電源
ヘッドレストも可動式で好みの位置に動かせます
ヘッドレストも可動式で好みの位置に動かせます


実際に乗車してみました

スサノオ号の乗り場は、東京駅の八重洲南口を出て右側に数分歩いたところにある、JR高速バスターミナルの9番乗り場です。道路を挟んで前方には東京ミッドタウン八重洲のビルが、振り返ればJR高速バスターミナルの受付などが見え、わかりやすい場所にあるので助かりました。

9番乗り場からは東京ミッドタウン八重洲ビルが見えます
9番乗り場からは東京ミッドタウン八重洲ビルが見えます
JR高速バスターミナル
JR高速バスターミナル
最初の乗り場・TDRからやってきたスサノオ号
最初の乗り場・TDRからやってきたスサノオ号

定刻は20時20分ですが、わずかに遅れての発車。走行開始後は音声放送で一般的な(シートベルト、禁煙など)注意事項、続いて乗務員さんから到着時間や休憩場所、乗務員交代のお知らせがありました。

出発時の乗務員は中国ジェイアールバスが運行を委託するジェイアールバス関東の方ですが、途中の新城などで中国ジェイアールバスの乗務員2人と交代するとのことです。スサノオ号は3人の乗務員で運転をバトンして進むという、安心体制なのでした……!

ほかにも、乗車日に首都高の工事があったため、到着が少し遅れるかもしれないとのアナウンスもありました。

1階前方にはモニターがあって、行き先などが表示されます
1階前方にはモニターがあって、行き先などが表示されます


休憩は2カ所! 鮎沢PAと蒜山SAで20分ほど

トイレ付きのためかSAでの休憩は少なく、神奈川県足柄上郡にある鮎沢PAと岡山県真庭市にある蒜山高原SAの2カ所でした。休憩時間は20分程で、運転席の窓に出発時間が掲示されます。

鮎沢PAはこんなところです。鮎沢PAを出発後、車内は消灯となりました。

22時45分頃到着。こじんまりとした鮎沢PA
22時45分頃到着。こじんまりとした鮎沢PA
休憩時に都度タイヤ止めしていて安心感が
休憩時に都度タイヤ止めしていて安心感が

消灯後の1階フロア。青白い光で謎のムーディー空間に……!
消灯後の1階フロア。青白い光で謎のムーディー空間に……!

蒜山高原SAはこんなところです。フォトジェニックな「愛の鐘」などがありました。

6時40分頃到着。生クリームパン推しの蒜山高原SA
6時40分頃到着。生クリームパン推しの蒜山高原SA
ひっそりとあった「愛の鐘」
ひっそりとあった「愛の鐘」
オオサンショウウオをモチーフにしたベンチもありました
オオサンショウウオをモチーフにしたベンチもありました

出発時のアナウンス通り、少しずつ遅れて松江、玉造、宍道、斐川ICと各降車地を通って行き、出雲市駅には8時50分頃に到着しました。そしてバスは一路、終点・出雲大社へ。出雲大社には、9時15分頃に到着しました(時間通りだと8時42分着)。

到着です!
到着です!
各社の降車所となっています
各社の降車所となっています


スサノオ号の魅力は乗り心地と乗務員さんの心遣い!?

まだ薄暗い早朝に到着して途方に暮れちゃいがちな夜行バスですが、ほどよい時間にバスを降りられて、ぎりぎりまでゆっくり眠れて、ありがたい気持ちです。下車して出雲大社はどっちだろうとまごついていると、乗務員さんが観光マップをくださり、方向を教えてくださいました。

ここで下車する方たちはみなさんほぼ出雲大社周辺を観光するので、必要なときに渡せるように観光マップを持つようにしているんだとか。車体の揺れも少なく、シートの座り心地もよく、快適な道中だったのはもちろん、乗務員さんのそんなお心遣いも嬉しく、パワースポットに詣でる前から、心が洗われたような気持ちになりました。


車いすユーザーも利用しやすいスサノオ号

今回の車両には、車いすスペースに車いすを収納、入口に一番近い4列シートに座る形で、車いすユーザーの方がおひとりで乗られていました。乗車時やSAでの休憩時、そして降車時と、乗務員さんがてきぱきと車いす⇔座席の移乗介助などをされていました。

スロープ
スロープ

バリアフリー対応のバスと、経験を積まれてきた乗務員さんのサポート。中国ジェイアールバスの長距離バスには、運賃の障がい者割引や介護人1名の割引(5割引き)などもありますし、車いすユーザーの方にとっては利用しやすい長距離バスなのではないかと思います。


夜行バスは出雲大社への観光にめちゃ便利!

スサノオ号は松江、玉造、出雲市駅などへ行きたいときにもちろん使えますが、終点の出雲大社で下車すれば、徒歩5分ほどで出雲大社の入口まで行けちゃうという便利さです。

東京から出雲へ行く場合、新幹線や飛行機より安いだけでなく、前夜に乗って眠っているだけで、朝からするっと観光が始められるというのは、とても魅力的。

ちなみに現在(2023年10月)、関東方面から出雲大社まで運行しているのはスサノオ号とオリオンバス、WILLER EXPRESS。週末や繁忙期のみ運行のバス会社もある中で、スサノオ号は基本的には毎日運行していますよ。出雲方面から東京へ遊びに行きたいときにも便利なバスです。

パワースポット出雲大社へ、便利な夜行バスで訪れてみてはいかがでしょうか。

※取材協力/中国ジェイアールバス、ジェイアールバス関東


※本記事は、2023/10/17に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

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    この記事を書いたライター

    かとうちあき

    「野宿野郎」編集長(仮) 30代 / 女性

    1980年神奈川県生まれ。野宿旅行に憧れた中学時代を経て、高校一年生でめでたく野宿デビュー。以後、順調に野宿を重ね、人生をより低迷させる旅コミ誌「野宿野郎」の編集長(仮)&社長(自称)。著書は『野宿入門』(草思社文庫)と『野宿もん』(徳間書店)『バスに乗ってどこまでも』(双葉社)。

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