四国八十八カ所お遍路の移動手段や持ち物、費用は? 初心者におすすめのお遍路バスツアーについても紹介 | 高速バス・夜行バス・バスツアーの旅行・観光メディア [バスとりっぷ]

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四国八十八カ所お遍路の移動手段や持ち物、費用は? 初心者におすすめのお遍路バスツアーについても紹介

旅行好きなら一度は気になる四国八十八カ所お遍路の旅。達成するのに日数がかかるイメージですが、数回に分けて少しずつ巡礼してもOKなんです。そこで今回は、お遍路での必要品や参拝方法、高速バスを使用した場合のざっくりとした費用などをご紹介します。

目次


そもそも、お遍路さんってなあに?

四国八十八遍路

深夜のバラエティ番組『水曜どうでしょう』の人気企画の1つでもある、四国八十八カ所お遍路の旅。これは四国の4県に点在する弘法大師ゆかりの寺院八十八カ所を巡礼することをいい、地元の人々は巡礼者のことをお遍路さんと呼んでいます。

その歴史は古く、原型は平安時代に生まれ、その後は修行僧や修験者たちの修行の場になりました。江戸時代頃からは一般庶民も巡礼するようになり、現在でもご利益を求める方に人気の巡礼地です。

四国八十八カ所を巡礼する理由は?

かつて、修行僧や修験者たちにとって四国八十八カ所を巡礼することは、弘法大師の足跡を辿る修行でした。弘法大師は和歌山県にある高野山真言宗の開祖。その足跡を辿ることは、なによりの修行となったのでしょう。

それが時代を経て信仰目的のお遍路となり、さらには祖霊供養や病気平癒、懺悔をするために行われるように。現代ではそれらに加え、健康維持や旅行目的などで巡礼する方も多くなりました。

四国八十八カ所の霊場ってどこ?

四国八十八遍路・霊山寺
霊山寺

四国八十八カ所の霊場は次の通りです。順番に巡る「順打ち」の場合は、1番札所がある徳島県から、時計回りに四国4県をぐるりと1周する形になります。

●徳島県(1番札所~23番札所)の23カ所

1番札所・霊山寺
2番札所・極楽寺
3番札所・金泉寺
4番札所・大日寺
5番札所・地蔵寺
6番札所・安楽寺
7番札所・十楽寺
8番札所・熊谷寺
9番札所・法輪寺
10番札所・切幡寺
11番札所・藤井寺
12番札所・焼山寺
13番札所・大日寺
14番札所・常楽寺
15番札所・国分寺
16番札所・観音寺
17番札所・井戸寺
18番札所・恩山寺
19番札所・立江寺
20番札所・鶴林寺
21番札所・太龍寺
22番札所・平等寺
23番札所・薬王寺

●高知県(24番札所~39番札所)16カ所

24番札所・最御崎寺
25番札所・津照寺
26番札所・金剛頂寺
27番札所・神峯寺
28番札所・大日寺
29番札所・国分寺
30番札所・善楽寺
31番札所・竹林寺
32番札所・禅師峰寺
33番札所・雪蹊寺
34番札所・種間寺
35番札所・清瀧寺
36番札所・青龍寺
37番札所・岩本寺
38番札所・金剛福寺
39番札所・延光寺

●愛媛県(40番札所~65番札所)26カ所

40番札所・観自在寺
41番札所・龍光寺
42番札所・仏木寺
43番札所・明石寺
44番札所・大寶寺
45番札所・岩屋寺
46番札所・浄瑠璃寺
47番札所・八坂寺
48番札所・西林寺
49番札所・浄土寺
50番札所・繁多寺
51番札所・石手寺
52番札所・太山寺
53番札所・円明寺
54番札所・延命寺
55番札所・南光坊
56番札所・泰山寺
57番札所・栄福寺
58番札所・仙遊寺
59番札所・国分寺
60番札所・横峰寺
61番札所・香園寺
62番札所・宝寿寺
63番札所・吉祥寺
64番札所・前神寺
65番札所・三角寺

●香川県(66番札所~88番札所)23カ所

66番札所・雲辺寺
67番札所・大興寺
68番札所・神恵院
69番札所・観音寺
70番札所・本山寺
71番札所・弥谷寺
72番札所・曼荼羅寺
73番札所・出釈迦寺
74番札所・甲山寺
75番札所・善通寺
76番札所・金倉寺
77番札所・道隆寺
78番札所・郷照寺
79番札所・天皇寺
80番札所・国分寺
81番札所・白峯寺
82番札所・根香寺
83番札所・一宮寺
84番札所・屋島寺
85番札所・八栗寺
86番札所・志度寺
87番札所・長尾寺
88番札所・大窪寺

各県の霊場は、徳島県(旧・阿波国)は「発心の道場」、高知県(旧・土佐国)は「修行の道場」、愛媛県(旧・伊予国)は「菩提(ぼだい)の道場」、そして香川県(旧・讃岐国)は「涅槃(ねはん)の道場」と呼ばれています。一番面積の広い高知県の霊場数が一番少ないんですよ。

また、香川県にある75番札所の善通寺は、弘法大師生誕の地。高野山と京都にある東寺とともに、弘法大師三大霊場の1つです。

参拝方法は?

参拝方法は宗派や指導者によって異なる場合がありますが、基本的には次のように行います。

1)山門前で合掌し1礼→手水舎でお清め
2)鐘を撞いても良い寺院では、鐘楼堂で鐘を1回撞く(※参拝後には撞かないように)
3)本堂でロウソクを献灯し、お線香をあげる。お賽銭を奉納して、納札(おさめふだ)を納札箱へ納める

納札とは、参拝時に願い事を書くお札です。願い事は1回の参拝で1種類にするのがスマート。参拝前に書いておくと慌てずに済みますね。

4)合掌礼拝し、般若心経や本尊の真言などの読経を行い祈願する

本堂での参拝が終わったら大師堂へ向かい、本堂と同じ手順で参拝します。最後に、納経所で納経帳などにお納経(御朱印)をいただきましょう。

お遍路の服装や持ち物は?

■服装

「お遍路の準備ってなんだか大変。どこで揃えればいいのかな?」という不安は、1番札所「霊山寺(りょうぜんじ)」で解消。本堂に隣接している納経所は売店も兼ねていて、そこで購入可能です。

お遍路さんの服装というと、「白衣(びゃくえ)」に「菅笠(すげがさ)」をかぶり「金剛杖(こんごうづえ)」を持つスタイルを思い浮かべる方が多いと思います。この3点はお遍路の基本スタイルです。

お遍路.png

白衣はその名の通り上下白の装束。着用することで「いつ行き倒れても良いように、という覚悟を現す」とも言われています。ただし最近の研究では、白装束がお遍路で定着したのは昭和に始まった四国八十八カ所巡礼のバスツアーが最初ではないか、と言われています。たしかに「四国八十八カ所のお遍路は白装束で」と言われると、特別感を感じられますよね。

近年では上下とも白装束ではなく、下は動きやすいパンツスタイルで洋服の上に白衣を羽織る方も多いそう。このスタイルなら気負いなく参加できそうです。

金剛杖は弘法大師の化身とされ、1人で四国八十八カ所巡礼をしたとしても、「同行二人(どうぎょうににん)」という弘法大師と一緒に巡る精神を表すものです。1人お遍路でも気持ちは“弘法大師様と一緒”なんですね。

菅笠はないとお遍路ができないわけではありませんが、雨除け・日よけにも重宝します。

他には僧侶が身につける「袈裟(けさ)」の略式となる「輪袈裟(わげさ)」、足には「脚絆(きゃはん)」を、手には「手甲(てっこう・てこう)」をつけると本格的です。

■持ち物

納経帳など.jpg
輪袈裟、お経本、数珠、納経帳

参拝時には般若心経や本尊の真言などの読経を行うので、「お経本」も必須品の1つです。うっかり買い忘れた方は、霊山寺でもらえる無料のパンフレットに般若心経が記載されているので、こちらを読みましょう。「数珠」も基本的には用意しましょう。お賽銭用の小銭も多めに用意しておくと安心です。

「納札」と「納経帳」も必須品。納経帳の代わりに市販されている御朱印帳を使いたい方もいると思いますが、納経帳の方がサイズが一回り大きいので満足感がアップします。「ロウソク」「お線香」とそれらに火をつける「ライター」も必要です(ロウソクなどは、出発前にスーパーやドラッグストアなどで購入した方が割安)。

あとは、これらを入れる「頭陀袋(ずだぶくろ)」(布製のショルダーバッグ)があれば準備は万全でしょう。

■必要なもの一覧

では、これらを箇条書きにしてみると…

揃えたいもの

・白衣
・金剛杖
・菅笠
・数珠
・頭陀袋
・輪袈裟
・納札
・納経帳
・線香
・ローソク
・ライター
・お経本
・お賽銭

あるといいもの

・脚絆
・手甲


お遍路の主な移動手段

四国4県をぐるりと1周する四国八十八カ所お遍路の旅。移動手段は、徒歩、車、バスなどの公共交通機関、の3パターンがあります。その移動距離は約1,100~1,400km。

すべての札所を巡礼する満願までの最短日数は、以下のようになります。1日の移動時間には個人差がありますが、夏場などはこまめに休憩を取ってくださいね。

徒歩(一部、フェリーやロープウェイ使用)…44~56日間ほど
※平均時速5kmで1日8時間巡礼。参拝・休憩時間を除いて1日5時間(25km)移動する場合

…7~10日間ほど
※平均時速30kmで1日8時間巡礼。参拝・休憩時間を除いて1日5時間(150km)移動する場合

バスや電車など公共交通機関を利用しても巡れますが、四国内を走る電車や路線バスの運行本数は少ないことが多く、電車は1時間に1~2本、路線バスは1~2時間に1本というところも。電車から路線バスへの乗り換え時間もかかります。お遍路さんの中には「参拝時間には間に合ったけど、参拝している間に帰りの最終バスが出てしまった」と途方に暮れる方もいるそうなので、公共交通機関を利用する場合は事前のリサーチが大切です。

お遍路は一度に回り切れなくても、数回に分けて巡礼しても大丈夫なので、無理のない計画を立てましょう。



四国八十八カ所巡礼でかかる費用は?

四国八十八カ所巡礼は、利用する移動手段やかかる日数により費用が異なります。

ここでは参考までに、例えば大阪から徳島を往復する際にかかる最低限の費用を調べてみました。

大阪から徳島駅までは高速バスが乗り換えなしで便利です。海部観光のマイエクスプレスを利用すれば、なんば・梅田・大阪駅前~徳島駅前間が片道2,100円

所要時間は2時間半から3時間ほどで乗り換えなし! 帰りも乗り換えを気にせず、車中でゆっくり休息できますね。ちなみに徳島駅から1番札所の霊山寺の最寄り、板野駅まではJR高徳線で約20分、運賃は260円です。
※2022年3月調べ

大阪~徳島間の高速バス

あとは、その日その日の札所から札所への交通費や納経料(寺ごとに300円)、食事代がかかります。

複数日で巡る場合に必要な宿泊費は、一般的なビジネスホテルを利用すると1泊2食付きでおおよそ7,000円程度、素泊まりの場合は5,000円ほどです

1日の出費は大きくありませんが、例えば、納経料は88カ所×300円で、総額は26,400円。最初に持ち物をそろえたり、宿泊費もしくは日帰りや複数回に分け巡礼する場合は大阪からの交通費が必要です。

かかる日数などを考慮すると、満願までの総額が少なくともマイカーでは12、3万円~、レンタカーは20万円~、公共交通機関の利用や徒歩などでは30~50万円ほどはかかりそうです。


回数を分けてバスツアーで行くのも便利!

四国八十八遍路

前述したように、公共交通機関は本数が少なく事前に綿密に計画を立てておかないと途方に暮れてしまいかねません。かといって、いきなり歩いてチャレンジする勇気がないという人も多いのではないでしょうか。そこでおすすめなのが、四国八十八カ所巡礼のバスツアー。ツアー会社が複数回に分けて、88カ所を巡礼する内容のツアーを開催しています。

バスツアーなら電車やバスの乗り換え時間や、参拝している間に路線バスの最終便が出てしまうという心配は無用!

その他、バスツアーならではのメリットをまとめてみました。

バスツアーのメリット

・ 交通費はすべて含まれているので予算を立てやすい
・ 自分で旅の工程を考えなくてよい
・ 日帰り、1泊2日などの短い日程を使い気軽に巡礼できる
・ 歩く距離を減らせる
・ 四国八十八カ所巡礼のプロともいえる先達(または僧侶)が同行するツアーもある
・ 添乗員が参加者の納経をまとめて代行してくれるので、参拝後に納経の順番待ちをすることがない(別途、納経料がかかります)
・ 参拝時に不要な荷物を持ち歩かなくてよい
・ 疲れたら眠れる

バスツアーのメリットは、なんといっても歩く距離を減らせること!
公共交通機関や徒歩の場合は、札所から札所へ向かう道で木の根道や石段を通らなければならないことも。本堂が山頂にある札所も多く、とにかく上り坂がキツイんです。

それがバスツアーなら、駐車場まで歩かずに済むので楽ちん。駐車場から本堂~大師堂までの往復くらいでOK。体力温存でお遍路ができますね。

さらに参拝時に疲れても、次の札所までの移動中に仮眠もできちゃう! 着替えや洗面用具など、参拝時に不要な荷物をバス車内に置いておけるので、身軽に参拝できます。

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四国4県をぐるりと1周するお遍路の旅。達成したときの充実感を味わってみませんか?

※本記事は、2022/03/07に公開されています。最新の情報とは異なる可能性があります。
※バス車両撮影時には、通行・運行の妨げにならないよう十分に配慮して撮影を行っています。

  • この記事を書いたライター

    麻生のりこ

    旅行ライター 女性

    静岡県在住。高速バスへ乗る度に懐かしさを感じている元バスガイド。旅先では西洋館めぐりとマンホールの蓋探し、パワースポット参拝が大好き。旅のスタイルは、ひとり旅・女子旅・姉妹旅・家族旅が主。夢は桜前線とともに北上し、初夏から初秋までを北海道で過ごして紅葉前線とともに南下することです。

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